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2003年11月20日(木) 12時22分

左右の耳、間違え切開 幼児人工内耳手術で東京医大病院朝日新聞

 東京医科大学病院(東京都新宿区)で今年4月、難聴の幼児に「人工内耳」を埋め込む手術をした際、医師が右耳と左耳を間違えて切開していたことが、20日分かった。次に手術を受ける患者と勘違いした。手術途中に気づき、人工内耳は予定通りの耳に埋め込まれ、幼児の容体に問題はないという。東京都に医療ミスとして報告した。臼井正彦病院長らはこの日、記者会見して陳謝した。

 病院側と都によると、手術を受けたのは、先天性の重度の難聴だった幼児。右耳の後ろを切開して人工内耳の体内器を埋め込む予定だったが、切開担当の医師は左耳の後ろを約4センチ切ってしまった。別の医師がこのミスに気づき、左耳の切開した部分を縫合し、右耳に埋め込んだという。

 この幼児の手術の後にも、人工内耳の手術が予定されており、看護師がこの患者と勘違いして、左右取り違えて手術の準備をした。切開担当の医師はこの取り違いに気づかず、そのまま手術を始めてしまったという。

 病院は今月14日、この医療事故を東京都に報告した。

 東京医大病院では今月、静脈に挿入する点滴用のカテーテルがうまく入らず、患者が脳死状態になった事故が判明している。病院側は12月1日から、手術の際には手術部位に目印を付けるなど予防策を実施する予定だという。

 臼井院長は「あってはならない事故を起こしてしまった。理由はともあれ取り違いをしたことは事実。今後、詳細な調査と原因究明をし、周知徹底したい」としている。

     ◇

<人工内耳> 補聴器が役立たない難聴者に使われる器具。耳の後ろ側の皮下に電流発生装置を埋め込み、細い電極の束が内耳に届くようにする。耳にかけたマイクで拾った音は電気信号に変換され、内耳に伝わる。国内では85年に東京医科大が初めて臨床応用に成功、94年に保険適用された。メーカーによると、国内の装着者は約3200人。

(11/20 11:38)

http://www.asahi.com/national/update/1120/017.html