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2003年11月19日(水) 00時00分

無登録農薬問題を契機に新分野開拓朝日新聞・

 青森、岩手、秋田の3地銀が19日、岩手県滝沢村の岩手産業文化センターで「ビジネス商談会」を開き、各行が厳選した地元企業や大学など約130団体が自慢の技術や製品を出展する。県境をまたいだ取引を広げようという取り組みだ。青森県内からは30団体が参加。その中に、昨年リンゴ業界を襲った無登録農薬問題を契機に技術力を評価され、新しい分野を広げた企業がある。

 大鰐町の工業団地にある有限会社「マシス」。社員は社長とパートを含めて4人だけ。年商3千万円に満たない小さな会社だが、相馬学社長は「世の中の物質はほぼ100%分析できる」と自信をみせる。

 首都圏の大手分析機器メーカーの技術者だった相馬社長は、実家の産業廃棄物処理会社を継ぐために平賀町に帰郷。家業に飽きたらず、身についた技術力を生かそうと89年に創業した。主に「カラム」といわれる成分分離器の製作やリサイクルを手がけ、大手製薬会社などと取引している。

 昨年秋、無登録農薬の使用が問題となって、リンゴの残留農薬検査の依頼が舞い込んだ。当時は無登録農薬の分析法が確立していなかった。「液体クロマトグラフィ」という分析法を試したところ、県の機関では結果が出るまで約1週間かかるのを3〜4日で出すことができた。農家を支援しようと先着100人を無料で募集したら、申し込みが殺到。さらにノウハウを蓄積した。

 評判は県外にも広がり、問い合わせが相次いだ。いまは農薬分析の客層は北海道から大阪まで、農家や農協だけでなく、食品会社、コーヒー豆の輸入業者もいる。例えば、群馬県の農協からは野菜の検査を依頼してきた。安全に敏感になった消費者の期待に応え、地元産品をブランド化するための動きだという。

 一方、無料で検査した県内のリンゴ農家100人のうち、今年も検査を依頼したのは2人だけ。相馬社長は「何かを工夫して高く売ろうという意識がないのではないか」と心配している。

(11/19)

http://mytown.asahi.com/aomori/news02.asp?kiji=5506