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2003年11月19日(水) 00時55分

日本テレビ視聴率操作問題 調査報告書の要旨朝日新聞

 視聴率操作問題で、日本テレビの調査委員会が18日発表した調査報告書の要旨は次の通り。

 【動機】視聴率操作は、編成局での自己の立場と評価に強い危機感を覚えた安藤正臣プロデューサーが、視聴率獲得を重視する会社の方針を都合のいいように取り違え、視聴率獲得のためには何をしてもよいとの独断の下に、番組制作費などの水増しなどで工作資金を捻出(ねんしゅつ)して敢行したもので、社内での自分の評価を高めるためにした行為と考えられる。

 【視聴率操作工作】安藤プロデューサーが調査会社に対象世帯の割り出しを依頼、交渉役を派遣して番組の視聴を依頼した。本人が直接電話して視聴を依頼したこともあった。費用は当初、自身が負担していたが、その後担当する番組の制作費の水増し請求などで捻出したほか、架空請求で関与者へ直接日本テレビから支払わせていた。

 工作と水増し・架空請求があったのは00年3月から03年7月まで。関与したのは本人のほか、調査会社2社の3人、水増し請求の受け皿などになった制作会社など7社7人、交渉役4人(延べ人数)。

 調査会社への依頼などで本人が一時支払った費用は合わせて320万円。日本テレビに対する水増し・架空請求は14件で、水増し・架空分の総額は1007万円余。視聴率操作の工作に使われた費用は総額875万円余。さらに、安藤プロデューサーへのキックバックの合計が415万円だと判明した。結果的に本人には95万円の利得が残っており、引き続き視聴率操作を続けたかったという趣旨の供述もあった。また、安藤プロデューサーは03年9月30日付請求書で新たな水増し請求をしていたが、今回の調査で発覚し、未遂のままで終わった。

 【操作の影響】承諾を得たのは合計6世帯。ビデオリサーチによると、このうち視聴率調査対象世帯は3世帯で、工作が視聴率に影響を及ぼした世帯は最大で3世帯(番組全時間視聴の場合0.5%)とみられる。

 【日本テレビ役員・社員の関与】他の役員・社員が視聴率操作に関与したとは認められなかった。

 【提言】会社は、今回の不正行為が1社のみの調査による視聴率を唯一の基準としているテレビ業界の極めて不完全な現実を、当然のものとして受け入れていた点に最大の原因が存在していることを反省すべきだ。この点について十分な検討・対策を考慮しないままに人事管理をしていたことが今回の行為の引き金になっていること、一方で制作現場での資金の使途についての管理が十分ではなく、これを厳格にすることは困難だという、業界のあしき常識を安易に肯定していたことなどが原因である点に責任を痛感すべきだ。

 今後、これらの点を是正すべく、より客観的かつ不可侵的な視聴傾向把握のための制度を導入すべきで、さらに人事管理の一層の適正化を進めるとともに、経済界の常識に従って企業統治の観点から順法体制、とりわけ厳格な内部統制システムの確立に努めるべきだ。(11/18 22:48)

http://www.asahi.com/national/update/1118/041.html