2003年11月19日(水) 01時28分

視聴率買収：「取締役会に責任ない。業界の流れの中で起きた」（毎日新聞）

　日本テレビ・プロデューサーによる視聴率操作事件で１８日、調査委員会の報告を受けた日本テレビ経営陣の記者会見では、処分が社員だけにとどまり、役員は自主的な降格などはあったものの処分が一切なかった点に質問が集まった。氏家斉一郎会長は「これは今までの業界全体の流れの中で起こってきたという判断。判例的にも注意義務違反にはならないという解釈が強い」と強調した。さらに「道義的責任はあるだろうと申し上げている」と語気を強め、「取締役会に責任はない」との考えを何度も繰り返した。

　プロデューサーに対する告訴は、流用分の返還を拒否した場合に限ることを明らかにした。プロデューサーが返還すれば刑事責任は誰も問われない可能性が強くなる。氏家会長は「彼の場合、社会的制裁は受けている。『罪を憎んで人を憎まず』の精神を貫くのが適当だと思う」と語った。

　社内で会見をテレビで見た男性社員は「処分になっていない。結局、役員は自分がかわいいだけ。１人の社員を切り捨てただけ」と非難した。【合田月美、宍戸護】

［毎日新聞１１月１９日］ ( 2003-11-19-01:28 )

http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20031119k0000m040116002c.html