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2003年11月18日(火) 00時00分

節電器被害の弁護士会対応 「有料」に相談者戸惑い信濃毎日新聞

 電気料金が大幅に安くなるとのうたい文句で「アイディック」(東京)からクレジット契約で購入した節電器に、説明通りの効果がないと全国の中小事業者らが訴えている問題で、県内の相談窓口を設けている県弁護士会の対応に相談者から疑問の声が出ている。初回相談が有料なのは全国約四十都道府県にある窓口で長野だけとみられ、相談が弁護士会内の持ち回りのためか、弁護士の知識にも差がある。不信感から、弁護士会の被害対策弁護団が支援する集団訴訟への参加を見送った事業者もいる。

 県弁護士会は六月、消費者金融やクレジット契約に関する相談者に最寄りの消費者問題担当弁護士を紹介する常設の電話窓口をそのまま節電器問題に準用。相談は原則、有料(一時間一万円程度)としている。

 南信地方の五十代の自営業者は八月、窓口で紹介された弁護士から、いきなり提訴した場合の手付金や成功報酬額を提示され戸惑った。長野市内の飲食店主の男性(34)も九月下旬、クレジット会社を相手にした集団訴訟に加わろうと、窓口で紹介された弁護士と面会。この問題は既に何回か報道されていたが、弁護士はよく知らず、報酬額を示した。男性は後日、訴訟手続きに必要な書類をファクスで送るよう言われ、相談料も取られた。

 男性は「救済の窓口がようやくできたと思い、うれしかったが、これでは訴訟のために被害者を選別しているようだ」と批判。集団訴訟には参加せず、一人で訴訟を進めることにした。

 今年初めに社会問題化するまで全国で約十万人が購入したといわれる同社の節電器。全国約四十都道府県に弁護士対応の窓口ができたが、ほとんどは初回相談を無料にしたり、合同で被害者説明会を開いて資料代数百円を請求しているだけだ。

 これに対し、県弁護士会は「実態を見極める」として、緊急を要する場合の無料相談窓口設置や被害者説明会開催を見送った。

 県弁護士会消費者問題対策委員長の村上晃弁護士は「被害の実態がよく分からないため、既存の弁護士紹介の窓口を使った。初回相談の料金を取るか取らないかは個々の弁護士の裁量。料金は弁護士の報酬規定通りの金額設定で問題はない」と話している。

 節電器問題 ほとんどのクレジット契約がアイディック社と事業者間の売買契約で、個人を対象に一定期間内に無条件で解約できる消費者契約法や割賦販売法の「抗弁権」の適用は困難とされる。また、個々の契約金額は100万円前後で弁護士報酬との兼ね合いから、アイディックが事実上破たんした今年まで代理人を引き受ける弁護士は少なかった。「被害者の会」に全国から寄せられた相談は3000件超。今年になって全国の弁護士が相談窓口を設置し、弁護団を結成。9月以降、これまで長野を含め全国14府県で、クレジット会社を相手に債務不存在の確認を求める集団訴訟が起こされている。

http://www.shinmai.co.jp/news/2003/11/18/010.htm