2003年11月18日(火) 00時00分

江東区立小のシックスクール 原因特定できず （東京新聞）

　江東区の区立元加賀小学校で国の基準値を超えるトルエンが検出された問題で、「元加賀小学校シックスクール対策連絡協議会」（会長・田辺新一早大教授）が十七日、区役所内で開かれ、先月二十九、三十の両日行われた最後の空気測定結果が報告された。

　測定は三十カ所全室で実施、トルエンなど四物質の濃度は、いずれも大幅に基準値を下回った。また、改善策として設置された換気扇を稼働しなくても同様に基準を下回ったことが報告された。

　測定結果を受け、田辺会長は協議会報告書案を提示、了承された。報告書はこれまでの測定・調査結果からトルエンの発生原因について、（１）耐震補強鉄骨やドアなどに使われた合成樹脂調合塗料と、その溶剤として使用したシンナー（２）壁材裏側に使用した下地処理剤（３）校舎ひさしのウレタン防水（４）屋上部の防水材−などの可能性を指摘している。

　しかし、「初期の放散で室内に充満した化学物質が吸着、拡散して二次放散している可能性が考えられる」として、原因となる建材の特定には至らなかった。

　また報告書は、「化学的な測定値が基準値を下回ったことが確認されたものの、化学物質に対する感受性は個人差があり、何らかの症状が再発する可能性も全く否定できず、特に医学面での細かな配慮が必要」としている。報告書は区のホームページで公表される予定。校舎使用再開時期については今後、保護者、学校、区教委などで協議を進める。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/tko/20031118/lcl_____tko_____000.shtml