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2003年11月17日(月) 07時03分

おれおれ詐欺進化止まらず 若年層も被害 福島河北新報

 家族を装うなどして、現金振り込みを電話で要求する「おれおれ詐欺」の手口が、“進化”を続けている。警察官をかたったり、誘拐犯と誘拐された娘を男女が演じたりと、犯行形態はより巧妙化し、若い世代が被害に遭うケースも目立ってきた。福島県警は「不審な電話があったら慌てず、相手が誰か、しっかり確認してほしい」と注意を呼び掛けている。

 県内で初めておれおれ詐欺が発生したのは5月16日。会津坂下署管内で、70代の無職女性方に孫と名乗る男から電話があり、交通事故修理代名目で20万円をだまし取った。

 今月15日までの発生件数は、実際に被害があったケースが34件、未遂が10件。被害総額は2870万円に上っている。警察に届けがない未遂事件は、この数倍はあるとみられている。

 当初は孫や息子をかたり、「おれだけど、金を振り込んでほしい」などと高齢者を狙って電話する、単純な手口が主だった。その後、発生件数は一時減少したが、10月下旬になって、新手の犯行が目立ち始めた。

 警察官をかたり交通事故の示談金の支払いを促すものや、娘役の女が泣いて電話し、直後に男が「娘は預かった。金を返さないと働きに出す」などと、コンビでだます「演技派」まで現れた。

 11日には、郡山市で、息子の昇進を願う母親の気持ちを逆なでするような事件が発生した。無職女性(62)方に男が「おれだけど、会社で昇格できそうだ。上司から証券アナリストを紹介されたので、(自社株購入資金として)80万円振り込んでほしい」と電話してきた。女性は、声が長男に似ていたため指定された口座に入金。その後、長男と連絡を取り、詐欺と分かった。

 被害者が若い年代に広がってきたのも特徴。13日には、いわき市の主婦(31)が、夫の起こした交通事故の示談金名目で129万円をだまし取られた。

 おれおれ詐欺が報道され、単純な手口ではだましにくくなったため、次々と新たな手口を考え出しているらしい。今後も、被害者心理を巧みにつく事件の発生が懸念されている。
 県警生活安全企画課は「電話口で『おれだ』と言われたり、泣かれたりした場合は、身内の名前を明かさず、『誰だ』と聞き返すのが有効な対策。警察官をかたる手口も目立つが、警察が交通事故の示談金に関与することはない」と注意を呼び掛けている。
[河北新報 2003年11月17日](河北新報)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031117-00000004-khk-toh