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2003年11月17日(月) 00時00分

法外金利のグレーゾーン 契約無効でも罰則ナシ 消費者金融 野放しの現状 東京新聞

 金を貸し借りする際の利息について、一定以上の利率の契約を無効とする「利息制限法」の規定を上回る利息は不当として、県青年司法書士会(宮田明裕会長)のメンバーら全国の若手司法書士でつくる「全国青年司法書士協議会」が九月末、消費者金融業者を相手取り、過払い金の返還を求めて一斉提訴した。法律のすき間を利用し、「高利をむさぼる消費者金融が数多い」という現状のなか、“支払わなくてもよい利息”が支払われている現状と背景を探った。 (竹内 章)

 県内の一斉提訴に参加した原告は計十四人で、大手消費者金融などに対し約一千六百万円の過払い金返済などを求めている。今回の原告ら以外にも、消費者金融などへの返済に苦しむ多重債務者は県内でも数多いとみられている。

 消費者金融などから金を借りた場合、元金返済に伴うのが利息の支払い。利息は利息制限法により、元本の額に応じて上限が年率15−20%と定められている。これを上回る分の利息は法律上、一定の要件を満たさない限り無効となるものの、罰則規定が無いために違法業者は事実上“野放し”状態。刑事罰を科せられないのが現状だ。

 一方で「出資法」では、特殊な金融業者を除き、年利29・2%を超える利率で金を貸した消費者金融には、刑罰を科すとの規定がある。問題となっているのは、この両法律のすき間。つまり15−29・2%までの金利であれば法律上は無効となるものの、現行法規では罰せられない「グレーゾーン」に当たる。一定の要件を満たせばこの範囲の利率も有効となるが、「要件を満たしていない消費者金融が、要件を満たしている前提で営業を行い、高利をむさぼっている」(県青年司法書士会)という。

 県青年司法書士会によると、全国の自己破産者数は平成に入って以降、増加を続け、二〇〇二年度には二十二万四千五百七十件と、ついに二十万件の大台を突破。この中の大多数は、消費者金融からの借り入れを行っているという。

 このような現状を踏まえ、同会では「金融庁事務ガイドラインなどでうたわれている情報開示への協力に関し、非協力的な態度を見せる業者もいて、多重債務整理の大きな障害となっている」と主張。さらに「不況にあって消費者金融が最高益を更新し続けることができた原因の核心は、まさにグレーゾーンの存在」と指摘している。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/tym/20031117/lcl_____tym_____001.shtml