2003年11月17日(月) 21時00分

「裁判以外の紛争解決」強化へ素案・司法制度改革本部（日経新聞）

　政府の司法制度改革推進本部は17日、裁判以外の紛争解決（ＡＤＲ）を強化するための改革素案を示した。素案は仲裁センターなど民間の専門機関が手掛ける紛争範囲の拡大を盛り込んだ。一方で、機関の示す解決策に法的拘束力を持たせることについては、当初「改革の柱」と目されていたが、導入が見送られる公算が大きくなった。同案をもとに来春の通常国会で「ＡＤＲ基本法案」の提出を目指す。

　裁判以外の紛争解決の機能強化は、司法制度改革審議会が2001年6月にまとめた意見書で「国民にとって裁判と並ぶ魅力的な選択肢となるよう拡充、活性化を図る」としたのを受け、推進本部の検討会で具体案を検討している。

　離婚や家賃を巡る紛争などは現在、必ず裁判所による調停を経たうえで、当事者に不服が残れば民事裁判を起こすことができる仕組みで、民間の専門機関の関与がほとんどない分野。素案では、これらの紛争について調停抜きでこうした機関による手続きから直接、裁判に移行できるとし、利用対象を広げる。(21:00)

http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20031117AT1G1702E17112003.html