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2003年11月17日(月) 00時00分

バイアグラ新戦争勃発…16分で役立つ秘薬登場ライバルほかにも続々で価格破壊もZAKZAK


バイアグラの独占市場に、レビトラ、シアリスが参戦。戦国時代は患者に朗報か 勃起薬が戦国時代に突入−。ED(勃起不全)治療薬の代名詞「バイアグラ」と同等か、それ以上の効果があるという新薬が来春にも日本に上陸することになったのだ。すでに、欧州では別の新薬も参入し、三つどもえの大バトルを展開するほか、国内の"裏市場"では、2つの新薬が人気上昇中という。今後、「バイアグラ独占市場で、価格競争が起こる」(専門医)のは必至の情勢だ。

 【新薬は早いがウリ】

 米国で今夏、FDA(米食品医薬品局)の承認を受け、日本でも年内に厚生労働省の承認が得られそうな新薬は、独バイエル社の「レビトラ」。欧州では3月、発売された“秘薬”だ。

 日本法人バイエル薬品は「バイアグラと比べ、効果が出るまでの作用発現時間が短く、早ければ16分で効果が出ます。バイアグラは食事によって効果が薄れることもありますが、その影響も受けにくい」と説明。先月中旬には「バイアグラが効かなかった患者にも効果を上げた」とする臨床試験結果を発表した。

 【EDのメカニズム】

 EDの原因を簡単に説明すると、男性は性的刺激を受けると、陰茎海綿体に血流を増やす物質が作られる。だが、海綿体には、その物質を分解する「PDE5」なる酵素も存在。患者の多くは、この酵素が働き過ぎているのだという。

 バイアグラやレビトラは「PDE5阻害剤」と呼ばれ、酵素の働きを抑え、勃起させる。

 ただ、2つの薬の有効成分は化学構造に違いがあって、効能や副作用で微妙な差もあるとされるが、ED治療に詳しい大阪大学保健学科の石蔵文信医師は「欧州のデータを見たり、関係者の話を聞くと、バイアグラとレビトラの効き目はほぼ同等で、副作用もそう差はないようだ。このため、現場の医師は、すでに安全性や治療の実績があるバイアグラを使うだろう」と話す。

 【バイアグラ側は余裕】

 迎え撃つバイアグラのファイザー社は「世界2000万人に使われ、ED治療のゴールドスタンダードとなっている」と余裕だ。

 同社は昨年、全世界で約2000億円の売り上げを記録しており、「薬の評価は実際に使われて決まる。臨床段階では、(レビトラの)数も少ないですから」。

 だが、後発は価格で勝負に出る可能性が十分あるだろう。欧州では現在、後発も開発費の回収で利益を求め、市場全体も拡大しているため、それほど価格差はない。

 【第3の新薬も登場】

 ただ、バイアグラは、日本で初めて医師の処方箋を必要としながら保健点数が付かず、メーカーが価格を決めている。現在、定価は1錠25ミリグラム1100円、50ミリグラム1300円と少々高い。

 業界関係者は「有効な新薬は競合が3、4種類になるまで市場が拡大する。後発が出ればトップも認知度向上や市場の啓蒙などに使う宣伝費などが減らせる」と話す。

 さらに、米国イーライリリー社が開発し、欧州で今年2月に発売された「シアリス」という治療薬もある。やはり「PDE5阻害剤」で、先の2薬に比べ、有効成分が血中に残留する時間が長く、効果が長時間持続するとされる。

 【価格破壊も…】

 シアリスの場合、国内では承認申請が出されていないが、欧州のシェアはレビトラ約10%に、約20%と上回っている。

 国内では闇市場ともいえるネット上で、レビトラやシアリスの個人輸入代行業者が百花繚乱状態。価格は、たった4錠で1万円〜1万5000円といった高値がつく。

 だが、今後、3薬が競い合えば、市場も飽和し、「数年後には価格競争が起こる」(石蔵氏)とみられるのだ。

 日本では11年3月のバイアグラ発売以来、2300万錠が処方され、80万人以上が使用したという。ただ、日本の潜在的なED患者は1000万人以上との説もある。値段が安くなれば、密かに悩む殿方には朗報か。

ZAKZAK 2003/11/17

http://www.zakzak.co.jp/top/t-2003_11/1t2003111722.html