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2003年11月17日(月) 06時13分

「1×」なら正解4割 センター試験、数学の答えに偏り朝日新聞

 大学入試センター試験の数学問題では、正解の数字の最上位が「1」の場合が圧倒的に多い——東京理科大の芳沢光雄教授(数学)、大学院生の穂積悠樹さんらが過去の問題を調べてわかった。3けたの答えでは、半数は百の位が1だった。解けない人でも頭を1にすれば正答率は上がる。芳沢さんは、証明問題のような記述式を採用するなど改善すべきだという。

 穂積さんは、昨年までの13年間にわたるセンター試験の「数学1・A」と「数学2・B」について、本試験と追試験の全問題を調べた。

 解答が2けたの正の数となる問題は計458個あった。このうち最上位の十の位が1だったのは185個で、4割を占めた。3けたとなる問題は86個あり、百の位が1のケースは5割強の45個だった。通常、数字のすべての位が正しくなければ得点にならない。

 企業会計や人口、住所番地などの数字の最上位は「1」に偏り、2〜9とふえるほど出現率が減る。30年代に米物理学者がこの傾向を見つけ、「ベンフォードの法則」と名付けられた。法則では「3割程度が1に偏る」が、数学問題はそれよりも偏りが激しい。

 出題者は、あてずっぽうでは正答が出ないように、数字を1けたから2けたにするなどの工夫をしている。それが裏目に出たと芳沢さんはみる。

 センター試験に限らず、大学入試全般でマークシートによる空欄補充方式が多くなっている。芳沢さんは「採点が楽だからと安易な方式に頼らず、証明など記述式の問題で受験生の本当の力をみる努力をすべきだ」と話す。(11/17 06:13)

http://www.asahi.com/national/update/1117/006.html