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2003年11月16日(日) 06時38分

不在者投票の開票忘れ、「謝罪」めぐり選管困った読売新聞

 衆院選の不在者投票を開票し忘れて無効とするミスが続いた選挙管理委員会が、無効票となった有権者への「個別謝罪」をめぐって頭を痛めている。投票率アップに奔走した末の手痛いミス。個々に謝罪したいのだが、憲法で定めた「投票の秘密の保障」に抵触しかねない心配があるからだ。

 段ボール箱2つ分、5746票の不在者投票をロッカーに置き忘れた千葉県野田市選管。不在者投票の際には投票者の名前などを控えるため、無効票となった有権者は特定できる。事の重大さから個々の有権者に謝罪することも検討したが、結局、断念した。

 憲法15条は「選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない」と定めている。野田市選管は「訪問、郵送などどんな形をとっても、投票したか否かの秘密が保たれない恐れがある」と判断。千葉県選管も「個別謝罪すれば、どんな端緒から投票の秘密が侵害される可能性が起こるかわからない」と慎重だ。

 野田市選管は、市報や市のホームページを使って「おわび文」を周知するとともに、市民行事の際などに謝罪を重ねるとしている。

 一方、不在者投票17票を数え忘れた山梨県鰍沢町は12日に、選管委員長と書記長の2人が、ミスのあった投票所管内の102人、約90軒の不在者投票者宅を訪問し、謝罪文を手渡した。謝罪文に「明らかな不注意で貴い1票を無にしてしまった以上、謝罪するのが当然と考えた」と、「個別謝罪」の必要性を記し、必要最低限の人数で訪問するなど投票の秘密に配慮した。訪問先では「こんな謝罪で済む問題ではない」と厳しい意見もあった。

 山梨県増穂町も不在者投票10票が無効に。同町では今月末に町内全戸に謝罪文を配り、今後、個別の謝罪も検討するという。

 小選挙区と比例選各1452票、国民審査1445票をロッカーに置き忘れた福岡市中央区選管は、10日に公職選挙法に基づいて票を「保存」。今後、保存した票を開封する予定はないとしている。

 相次ぐミスに、総務省は「厳重にチェックをお願いしてきたのに極めて遺憾」(厚地弘毅・選挙部管理課長)とした上で、「個別に訪問して謝罪した例が過去にあったかどうかは記録がないので分からないが、個別謝罪が投票の秘密を侵すとまでは言えない。地域事情に応じ、各選管が判断すべきことだ」としている。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031116-00000501-yom-soci