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2003年11月15日(土) 12時13分

防犯ブザー足りない 連れ去り事件続発し注文急増朝日新聞

 子どもたちに持たせるための携帯型防犯ブザーが品薄になっている。女子小中学生を狙った連れ去り未遂事件や傷害事件が続発し、購入する市町村、学校が急増したからだ。東京都杉並区では11日、連れ去られそうになった小学生がブザーを使って難を逃れた事件もあり、メーカーへの注文は増える一方。購入を決めたのに品切れでブザーを配れずにいる自治体や学校もある。

 埼玉県深谷市で今月4日、中学1年の女子生徒(13)が若い男に刃物で切りつけられる事件があった。市は緊急に市内の小中学生全員9500人に防犯ブザーの貸与を決めた。4種類のサンプルを取り寄せたが、3種類が品切れだった。

 唯一あったのは中国製で、輸入元の業者に注文したが、在庫は2800個しかないと言われた。業者は中国に増産を要請しているが、9500個全部を納品するには30〜40日はかかるという。

 10月以降に女児の連れ去り未遂事件などが11件起きた同県川口市では、市内の全小学生2万7000人に防犯ブザーを貸与した。深谷市が注文したのと同じ業者からだったが、10月中に購入したため数がそろったという。

 メーカーや卸売業者によると、新潟県村上市や福島県須賀川市で、登下校中の女子小中学生が連れ去られる事件が起きた9月ごろから、自治体や学校、PTAからの問い合わせが急増。生産が追いつかなくなったという。「2、3カ月待ってもらっている」という業者もある。

 防犯用品製造販売会社の「ヨシオ」(本社・東京)では、前年に比べ受注が4割増。現在、増産態勢で対応している。「学校や教育委員会からの大口注文が増えた」と担当者。

 東芝電池(本社・東京)でも、ここ数年売れ行きが伸びている。通り魔や誘拐未遂といった事件が報道された後に増えるという。

 メーカーや防犯協会などの関係者は、97年、神戸市須磨区で当時14歳の少年が児童2人を殺害した事件を機に、防犯ブザーの使用者が痴漢撃退目的の若い女性から、小中学生に移ったとしている。

     ◇

 <携帯型防犯ブザー> ボタンを押したり、ひもを引いたりすると100デシベル近い音が出る。目の前でクラクションを鳴らされた音量と同じとされる。小売価格で500円から3000円程度。大きさは5センチほどのものから、ライト付きの10センチを超えるものまである。(11/15 12:08)

http://www.asahi.com/national/update/1115/016.html