2003年11月15日(土) 00時00分

オレオレ詐欺“凶悪進化”、「身代金要求」急増（ZAKZAK）

　オレオレ詐欺の“凶悪進化形”にご用心−。高齢者宅を狙って「子供を監禁している」などとウソの脅迫電話をかけ、身代金名目で２００万円前後の現金を要求する詐欺事件が東京都内で続発していることが１５日、明らかになった。実際に現金を振り込んだ例もあり、警視庁捜査一課では新手の恐喝事件として注意を呼びかけている。

　調べによると、高齢者を狙ったウソの脅迫電話は今年２月以降、計３４件の被害が届けられている。月数件のペースで発生していたが、１０月になって１９件と急増。今月もすでに５件を数え、年末を前に加速している。

　世田谷区に住む女性（７９）宅に、「おまえの息子が金を借りている。２００万円払え」と男の声で電話があったのは、今月１３日午前１１時ごろ。いきなり男の泣き声が聞こえ、女性は自分の息子が監禁されていると誤信。名前を呼びかけると別の男の声で「払わないとマグロ漁船に乗せるぞ」と脅迫され、男が指定する銀行口座に１５０万円を振り込んでしまった。

　また、８月には足立区の６０歳代の女性が、同様の手口で、７５万円をだましとられており、これまでに届けられた被害額は計２２５万円に上る。

　ほかに「孫を誘拐した」などと脅すパターンが確認されている。

　同課は、交通事故などを装ったいわゆる「オレオレ詐欺」と同様、犯人グループが電話帳などを使って無差別に犯行に及んでいるとみており、「慌てて振り込まず、まずは警察に相談を」と呼びかけている。

ZAKZAK 2003/11/15

http://www.zakzak.co.jp/society/top/t-2003_11/1t2003111504.html