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2003年11月15日(土) 03時03分

武富士、盗聴と同時期業者に費用 会長決裁印の禀議書も朝日新聞

 大手消費者金融「武富士」(東京都新宿区)の元課長らによるジャーナリスト宅盗聴事件で、盗聴が行われたのとほぼ同じ時期に武富士側が、調査業重村和男容疑者(57)=電気通信事業法違反容疑で逮捕=経営の「アーク横浜探偵局」に対し、複数回にわたって費用を支払っていたことがわかった。支払いを決裁する同社の「禀議(りんぎ)書」の一部に武井保雄会長の印鑑があった。禀議書を入手している警視庁は、費用は盗聴の対価だった可能性があるとみており、社内に盗聴を指示した人物がいないか慎重に調べている。

 捜査2課の調べや関係者によると、禀議書は「アーク」への支出を内部で承認したことを示しているとされる。元課長の中川一博容疑者(42)=同=が昨年9月に懲戒解雇された際に持ち出した。

 東京都内にあるジャーナリストの自宅電話が盗聴されたのは00年12月〜01年2月で、禀議書の「決済日」はこの最中と前後だった。支出の名目は「企業調査費用支払の件」「人事調査費用支払の件」などで、金額は28万〜240万円。決済日が00年8月11日や同9月11日の禀議書の「会長決裁」欄には「武井」の印鑑が押してあった。

 決裁と同時に重村容疑者側に現金が支払われたとみられる。「アーク」が、同年8月11日付で武富士あてに出した領収書には150万円の金額が書かれていた。また同年8月25日決裁の禀議書には武井会長の印鑑がないものの、条件欄に「口頭決裁済」との記述があり、同じ日付でアーク側が武富士から210万円を受け取ったことを示す領収書があった。

 中川容疑者は調べに対し、盗聴について「武井会長の指示だった」と供述。また自らの業務上横領事件の公判では、禀議書作成の経緯について「武井会長の印を先にもらった。盗聴は違法との認識があったので、役員には『人事調査費用』などの名目で印鑑をもらった。盗聴について知っているのは私と武井会長だけ」などと証言していた。

 捜査2課は、武富士本社の家宅捜索などで入手した同社の資料を分析し、禀議書が作成された経緯や盗聴との関連の有無を解明する。

 武富士広報部は朝日新聞の取材に、中川容疑者が持ち出した禀議書を本物の可能性があるとしたうえで「会社として盗聴にかかわった事実はない。会長も指示などしていない。中川(容疑者)が内容を偽って決裁を取るなどして勝手に行ったのではないか」と話している。(11/15 03:03)

http://www.asahi.com/national/update/1115/003.html