2003年11月14日(金) 21時30分

おれおれ詐欺の“誘拐版”都内で３４件も（読売新聞）

　お年寄りに子どもや孫を誘拐したと思いこませ、現金を要求する事件が今年２月以降、東京都内で３４件相次いでいることが１４日、警視庁捜査１課の調べで分かった。

　電話口で泣き声を聞かせ、心配した家族らに名前を呼びかけさせることで“被害者”の名前を聞き出すのが手口で、実際に金を振り込んだケースも２件（計２２５万円）あった。「おれおれ詐欺」に似ているが、誘拐事件などの身代金要求を装っている点が悪質なことから、警視庁は恐喝容疑などで捜査に乗り出した。

　調べによると、今月１３日、世田谷区に住む女性（７９）宅にかかった電話では、いきなり男の泣き声が聞こえ、女性が息子の名前を呼びかけると、今度は別の男の声で「息子さんが借金を返さない」「２００万円振り込まないとマグロ漁船に乗せる」と脅したという。動転した女性は、指定された銀行口座に１５０万円を振り込んだが、その後、息子の携帯電話に電話をかけてみて、息子が無事であることが分かった。

　同じ日、別の女性（７５）宅には男の声で「孫を誘拐した」「２３０万円振り込め」と電話があった。女性は近くの信用金庫まで行ったが、職員から助言され、被害に遭わずにすんだ。

　電話の内容も「命の保証はない」「耳をそぎ落とす」などと悪質。被害者は６０—７０歳代のお年寄りが中心。電話がかかってくる時間帯も日中が多いという。（読売新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031114-00000013-yom-soci