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2003年11月14日(金) 15時19分

<武富士強制捜査>盗聴疑惑にメス 元社員持ち出した資料が発端毎日新聞

 東証1部上場で消費者金融最大手の「武富士」(東京都新宿区)本社に14日、警視庁捜査2課と保安課の家宅捜索が入った。元渉外部課長代理が持ち出した内部資料がきっかけとなって、恐喝未遂事件や警視庁幹部職員の処分問題に及んだ一連の問題は、武富士本体に電気通信事業法違反容疑で捜査のメスが入る事態にまで発展した。

 今回の捜査の発端は、武富士社内で外部とのトラブル処理を担当していた元渉外部課長代理、中川一博容疑者(42)=業務上横領罪で公判中=が持ち出した内部資料だった。

 中川容疑者は82年に入社し、94〜01年、渉外と法務の両部に属していた。暴力団や右翼、総会屋などとの交渉役だったことを、中川容疑者は公判廷などで明かしている。さらに盗聴は「武井保雄会長から指示された」と陳述しており、警視庁は上層部の関与についても調べを進める。

 ところが、02年に「無断欠勤」を理由に懲戒解雇された。この際、中川容疑者は内部資料を持ち出す。武富士が武井会長に批判的なジャーナリストや社員の盗聴にかかわっていたことを示す資料やテープ、政治団体幹部の個人情報カードや同社が盆暮れにビール券を警察官に配っていたことをうかがわせるリストなどが含まれていた。

 今年4月、中川容疑者が持ち出した内部資料をもとに武富士から1億円を脅し取ろうとしたとして、会社役員の親子が恐喝未遂容疑で警視庁に逮捕された。さらに5月には実際に会社役員に資料を渡した男3人と中川容疑者が逮捕された。中川容疑者は、処分保留となったが業務上横領容疑で再逮捕された。恐喝未遂容疑については、その後、不起訴となっている。

 しかし、一部週刊誌がビール券リストの存在を報道したことで、警視庁はリストに名前がある捜査員らの捜査を優先した。7月18日、警視正1人を地方公務員法違反(守秘義務)容疑で書類送検したうえで警視総監訓戒、ほかの2人を同訓告処分とした。同月22日には、警視庁職員14人が計九百数十枚のビール券を武富士から受け取っていたとする調査結果を発表、書類送検された警視正が97〜00年に当時の部下計140人分の借り入れ状況を同社に照会していたことも明らかになり、警視正は辞職した。

 一方、盗聴については、6月中旬にフリージャーナリストから盗聴されたとする告訴を受理。このジャーナリストは、00年10月、雑誌に武富士を批判する記事を書いていた。7月末には、消費者金融問題に取り組む弁護士4人が別のフリージャーナリストに対する盗聴で行った告発も受理して捜査を本格化させ、10月に盗聴の実行行為にかかわったとされる調査会社を家宅捜索するなど捜査を進めてきた。【立山清也、三木陽介】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031114-00001064-mai-soci