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2003年11月14日(金) 12時31分

食道がん手術で植物状態、遺族敗訴の判決差し戻し読売新聞

 福井県小浜市の公立小浜病院で食道がんの手術を受け、植物状態になった後に死亡した同市の男性(当時58歳)の遺族が、病院側に約3700万円の損害賠償を求めた訴訟の上告審判決が14日、最高裁第2小法廷であった。

 滝井繁男裁判長は「医師が適切な処置を怠ったことで男性は植物状態に陥った」と認定し、遺族側の請求を退けた1、2審判決を破棄し、審理を大阪高裁に差し戻した。

 判決によると、男性は1994年12月に手術を受けたが、6日後に医師が気管に入れたチューブを抜いた後、心肺機能が停止し、植物状態に陥った。男性は96年7月、食道がんのため死亡した。

 滝井裁判長は「医師はチューブを抜いた直後に、すでに患者の呼吸が困難なことを認識できたはずで、気道を確保するための注意義務があった」と指摘。損害額などについて、さらに審理を尽くすよう命じた。

 1審・京都地裁、2審・大阪高裁は「呼吸停止は突然起こったと言わざるを得ず、原因確定は困難で注意義務違反は認められない」と請求を棄却したため、遺族側が上告していた。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031114-00000204-yom-soci