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大手消費者金融「武富士」（東京都新宿区）の元課長中川一博容疑者（４２）＝業務上横領罪で公判中＝が「武富士本社の指示を受け、同社に批判的なジャーナリストの電話を盗聴していた」と内部告発していた問題で、警視庁は１４日、電気通信事業法違反（通信の秘密の侵害）などの疑いで、同社元専務の小瀧國夫容疑者（６１）や中川容疑者、盗聴を請け負ったとされる横浜市内の調査業「アーク横浜探偵局」経営重村和男容疑者（５７）ら計５人を逮捕した。容疑を裏付けるため同日朝から、武富士本社の家宅捜索をしている。
ほかに逮捕されたのはともに調査業で横浜市内に住む市川宣幸（３６）と橋本勝志（３３）の両容疑者。
捜査２課の調べでは、中川容疑者ら４人は００年ごろ、武富士を批判する記事を執筆していたジャーナリストの通話内容を知ろうと、このジャーナリストの都内にある自宅の電話回線に盗聴器を仕掛けた。００年１２月から０１年２月にかけ、通話内容を録音した疑い。
小瀧容疑者は、中川容疑者に重村容疑者ら３人の調査業者を紹介した同法違反の幇助（ほうじょ）容疑で逮捕された。中川容疑者はおおむね容疑を認めているという。
この問題は、中川容疑者が武富士から内部資料を持ち出したとして警視庁に０３年６月に業務上横領容疑で逮捕された後の勾留（こうりゅう）理由開示裁判で述べ、発覚した。これを受け、消費者金融問題などに取り組む弁護士グループが、警視庁と東京地検特捜部に告発状を提出していた。盗聴されたとされるジャーナリストも今年６月、警視庁に告訴していた。
告発状などによると、中川容疑者は武富士の渉外部や法務部に在籍していた９４年１２月から０１年６月ごろにかけ、同社の武井保雄会長（７３）から暴力団や右翼、総会屋、警察、ジャーナリストらの対応を命じられていた。その一環として電話盗聴も指示され、ジャーナリストら６人に対し盗聴を実施したとされる。うち４人は公訴時効（３年）が成立している。
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＜武富士＞ 消費者金融の業界最大手。６６年、創業者の武井保雄会長が個人で小口の金融業を始めた。６８年に有限会社武富士商事が設立され、７４年に株式会社化し、武富士に社名変更。９５年１０月に無人契約機を導入した。９６年８月に株式を店頭公開し、９８年１２月に東証１部に上場した。０３年３月現在で有人・無人店舗など１８９２店を全国展開し、貸付残高は１兆６７５６億円。従業員３３７５人。本社は東京都新宿区西新宿８丁目。
(11/14 11:34)