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2003年11月14日(金) 08時29分

障害者の在宅サービス利用急増、補助金不足の恐れ朝日新聞

 「障害者が選ぶ福祉」を看板に4月から始まった障害者支援費制度で、身体・知的障害者のホームヘルプの利用が急増し、国の予算が不足する恐れが強まっていることが13日わかった。厚生労働省は補助金を全額交付できない可能性があると都道府県に伝えた。50億円近く足りないとの計算もあり、障害者が必要なサービスを十分受けられなくなることも考えられる。障害者福祉の底上げを目指した制度は、早くも財政的な壁に突きあたった。

 身体介助や外出支援などのホームヘルプサービスは、国が2分の1を上限に補助し、都道府県と市町村が4分の1ずつ負担する。厚労省はホームヘルプ事業の補助金として03年度当初予算で278億円(前年度比14.5%増)を計上した。

 障害者から必要なサービスを申請してもらったところ、4月からの利用が予想を超えて伸びた。

 厚労省が4月から2カ月間の利用実績をもとに来年3月までに必要になる補助金を計算したところ、50億円近く不足することがわかった。補正予算を要求するのは制度上難しく、同省は他の予算を流用するなど対応を検討しているが、不足分を全額埋めるのは厳しい状況だ。

 同省は今月に入って都道府県に対し、02年度に交付した補助金に相当する分は全額出すものの、03年度から利用時間が増えた分や新規の申請分については補助額が2分の1を下回る可能性があることを伝えた。

 不足分を補うことになる自治体は「地方への負担の押しつけ」と反発。財政難の自治体ではサービスが削られる恐れもあることから、障害者団体も危機感を強めている。

 東京都では03年度のホームヘルプ事業費が前年度より34%増えて約153億円になると見込む。都はこのままだと、国の補助が9億6000万円不足するとしている。新規の申請も増加の一因とみられ、和歌山市では02年度は3人だった知的障害者の利用が200人を超えた。

    ◇

 <障害者支援費制度> 身体・知的障害者の新しい福祉サービスの仕組み。障害者の希望や選択を重視する目的で導入された。自治体がサービスの内容や事業者を決めていた措置制度を改め、障害者が必要なサービスの支給を申請、自分で事業者を選ぶ制度にした。自己負担分を除く費用は従来通り、国と地方自治体の障害者福祉予算で賄う。障害者手帳などを持っている身体・知的障害者は約490万人で、在宅サービスの支給が決まっているのは約19万人。

(11/14 08:29)

http://www.asahi.com/national/update/1114/008.html