2003年11月14日(金) 00時00分

被害総額１億円突破 「おれおれ詐欺」　手口巧妙化 （東京新聞）

　息子や孫を装って高齢者に「おれだよ」と電話をかけて、現金をだまし取る「おれおれ詐欺」の被害が、県内で十月末までに未遂を含め百九十四件あり、被害総額が一億円を突破したことが十三日、県警捜査二課の調べで分かった。手口は巧妙化し、一回あたりの被害も高額化している。同課は、あらためて注意を呼び掛けている。

　十月だけの被害は七十件（未遂二十六件）で、これまでに最も多かった八月の三十五件（未遂七件）の二倍に。十月末までの被害総額は一億千三百六十万円。手口が市民に広く知られるにつれて、未遂も増えているが、それ以上に手口が巧妙化しているという。

　従来の手口は、「おれだよ」と名前を明かさずに電話をかけ、交通事故の示談金や借金返済を理由に、現金を振り込ませていた。

　しかし、十月に確認された被害の中には、被害者の息子や孫の氏名を名乗り、さらに生年月日や居住地まで正確に話した犯人もいた。また、電話の中で「事故処理は終わったので、警察は関与しません」と話す警察官役を登場させて信じ込ませる手口もあった。

　十月末に被害にあった川崎市の無職女性（５１）の場合、一度に約六百万円をだまし取られた。八月末の時点で約七十万円だった平均被害額は、十月末までに約九十万円にまで増えている。

　同課は「お年寄りはもちろん、家族の方も注意してほしい。電話がかかってきた場合、現金を振り込む前に、警察や家族に相談すれば、被害は防げる」と話している。　（清水俊介）

http://www.tokyo-np.co.jp/00/kgw/20031114/lcl_____kgw_____003.shtml