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2003年11月13日(木) 10時09分

<フォレックス社>提携社が債権放棄を要求琉球新報

立ち見も出るほどの顧客が詰め掛け、フォレックス社に対する怒りをぶつけた顧客説明会=12日午後2時すぎ、那覇市のホテル日航那覇グランドキャッスル    営業停止状態に陥っている外国為替証拠金取引仲介業のフォレックスジャパン(本社那覇市、許田明炎社長)の顧客説明会が12日、那覇市のホテル日航那覇グランドキャッスルで約700人(同社発表)が参加し開かれた。
 国内の顧客約5000人の投資金約200億円のうち、約125億円が「回収不能」となっている問題で、同社は、経営破たんしたとされる提携先の台湾の為替取引会社ユニライン(U社)の弁護士が「日本の顧客が125億円の債権放棄に同意すれば、残り資産約75億円を日本側の管理へ移す」という条件を示したことを明らかにした。
 顧客から「U社の破たんは唐突すぎて信じられない」「投資を勧誘したフォレックスの責任は重大。説明責任を果たせ」など批判の声が相次ぎ、被害者の会結成の署名呼び掛けも行われた。
 説明会では許田社長が顧客らへ謝罪した後、代理人弁護士らが「台湾へ行き調査した。U社に残っている投資金75億円を管理している台湾の弁護士に、日本側へ管理を移すよう主張したが、同弁護士は『125億円の債権放棄が条件。顧客が同意しないなら台湾側で管理を続け、こちらから日本の顧客へ送金する』と話した。われわれは債権放棄を受け入れず、交渉は継続中」などと説明した。
 フォレックス社によると、同社は県内外で外国為替証拠金取引への投資を募り、顧客を台湾のU社へ紹介。投資金運用契約はU社と顧客の間で締結されていた。
 今月5日、U社から「予期せぬ為替相場の連動の連続で多大な損失金が発生した」と経営破たんの通知があり、フォレックス社も営業停止に陥った。フォレックス社は年内にも清算手続きに入るとしている。
 10月1日以降にU社側へ送金された投資金約7億円は、今月12日から日本の顧客への返還が始まったという。同社は今後、支店を置く大阪、福岡、東京などでも説明会を開く。

◇700人の怒り充満
 外国為替証拠金取引を仲介し、全国から多額の投資金を集めたフォレックスジャパンが、取引先の台湾の運用会社の破産で営業を停止、出資金約125億円の返済のめどがたたなくなっているとされる問題で、那覇市内のホテルで12日開かれた同社の説明会では、多額の出資が突然回収できなくなった顧客700人が会社に怒りをぶつけ、「フォレックスは台湾の会社にだまされたのかもしれないが、われわれはフォレックスにだまされた」など厳しい批判が相次いだ。終始疑念が渦巻く会場だったが、一方で「退職金をつぎ込んだ。一部だけでも返してほしい」と悲痛な声も聞かれた。
 説明会で会社側は推測も含まれるとした上で、破たんの原因として提携先の台湾ユニライン社(U社)の為替取引責任者が損失隠しをしていたか、同社幹部が個人的に流用していた可能性を挙げ、U社もフォレックスもチェックできなかったと説明。参加者は「提携先の実態を知らずに顧客を集められるのか」「仕組まれているとしか思えない」と声を荒らげた。
 会場から出てきた男性は「フォレックスは台湾の運用会社の責任だというが、仲介業者ならきちんと情報を取って監督していたはずだ。その責任を取ってほしい。資金運用を丸投げしておいて、3割しか残っていないというのはおかしい」と声を震わせた。
 退職金など総額数千万円をつぎ込んだ60代の男性は「本当にばかだった。証拠金の一部でいいから返してほしい」と、怒りとあきらめの入り交じった表情でため息をついた。
 那覇市に住む主婦(67)は「もうかると知人にしつこく勧誘されたので5月に2000万円を投資したが、配当は全くなかった。ねずみ講などに引っかかる人を見てばからしいと思っていたが、まさか自分が被害者になるとは」と話し、涙をハンカチで何度もぬぐった。

◇フォレックス社の営業停止問題
 フォレックスジャパンの営業停止問題は、同社の専務を9月に辞任した香港の経済人、A氏の存在が疑問と憶測を呼んでいる。フォレックッス社(F社)の許田明炎社長、A氏双方とも、記者会見や文書で「だまされた」「利用された」と相手側を非難して言い分が真っ向から対立している。
 A氏は2000年9月のF社設立にかかわった。長年の外国為替取引経験を生かし、専用のコンピューターソフトウエアを開発して香港で会社を経営。F社はA氏と同ソフトの使用許諾契約などを結び、勧誘に使うパンフレットなどでも紹介していた。
 ところが今年9月、県内の新聞に突然、A氏の謹告記事が載った。F社の取締役を辞任し、ソフトの使用許諾契約を含むすべての契約関係を解除するとの内容だった。
 A氏は10月10日付の一部顧客向けの文書で、辞任の理由について、F社が営業収支や会計帳簿などの財務資料を開示しない点や、資金運用を委ねた為替取引業者ユニライン社(U社、台湾、香港、マカオに拠点)の運用実態に疑問がある点を指摘。「(F社は)計画的に投資家と私をだまし利用」と批判している。
 これに対し、許田社長は11、12日の記者会見で「A氏はU社の投資顧問で、実質的な責任者。今年7月から行方をくらまして連絡がとれない」と説明。A氏不在で資金運用に支障が出て、欠損金が出たと強調した。
 許田社長は「A氏とU社にだまされたと思っている。A氏の行方は調査会社も使って捜している」と指摘。弁護人らも「香港のU社の事務所にはA氏のディーリングルームがあり、そこでA氏を撮影した写真もある」として、A氏とU社は密接な関係と強調した。
 これに対しA氏は文書で、F社はA氏の会社が開発したソフトをU社が開発したとの虚偽の事実(2)A氏がU社の経営に深く関与しているかのような虚偽の事実-を掲載していると否定。
 A氏の日本側の代理人として依頼を受ける弁護士は「A氏は香港では著名人。いつも香港にいるとは限らないが、行方不明ではない。香港側弁護士などの報告から、A氏とU社は一切関係がない。むしろ、許田社長とU社は同一の関係と認識している」と指摘する。
 許田社長、A氏双方とも、U社の実態や資金運用に疑問を呈し、自らの関与を否定。一方で相手側とU社の関係を強調する、複雑な構図を呈している。(琉球新報)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031113-00000015-ryu-oki