2003年11月12日(水) 22時15分

＜著作権＞イラストを無断改変　武富士などに賠償命令　東京地裁（毎日新聞）

　イラストを無断で改変され新聞広告に使用されたとして、イラストレーターの男性が消費者金融会社「武富士」（東京都新宿区）と広告代理店「電通」（港区）に損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は１２日、男性の主張をほぼ認め、総額１１４５万円余の支払いを命じた。飯村敏明裁判長は「広告のイラストは、男性の作品と実質的に同一。無断で改変を加え著作権を侵害した」と指摘した。

　問題のイラストは、世界の名所旧跡などを横一列に並べた作品。両社は「男性の作品に依拠して作製したが、著作権は侵害していない」と主張した。しかし、判決は「男性の作品はメルヘン的で、シャープに描かれた問題のイラストと違いはあるが、名所旧跡の配列が似ており、細部にも共通点がある」と男性の著作権を認めた。

　そのうえで、問題のイラストをあしらって電通が作製し、新聞に掲載された「無人契約機¥ｅｎむすび」の６７７回にわたる広告のすべてに著作権侵害を認定した。【小林直】（毎日新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031113-00000096-mai-soci