2003年11月10日(月) 21時31分

データ転送：世界最高速度を実現　東京大など（毎日新聞）

　東京大や富士通研究所などの研究チームは１０日、インターネット通信で世界最高速度のデータ転送に成功したと発表した。日米間の往復約１万５６８０キロで実験したところ、ＤＶＤ（デジタル多用途ディスク）１枚分のデータを約５秒で転送できたという。最近は多国間の共同研究が盛んになっており、研究チーム代表の平木敬・東京大教授（コンピューター科学）は「磁気テープなどに保存して何日もかけて情報交換していたのが、瞬時にデータ交換ができるようになる」と話している。

　これまでは、遠隔地に多量のデータを転送する場合、細分化したデータを一つずつ転送していた。送り先からデータが届いたという確認を待ちながら順次送っていたため、多くの時間がかかっていた。

　研究チームは、相手からの確認の返事が来なくても、次々とデータを転送できるシステムなどを開発。日本と米国ポートランド市間の往復（約１万５６８０キロ）を、インターネット通信でデータ転送したところ、１秒当たり平均で約６．８ギガビット、最高で約８ギガビットを転送するのに成功した。これまでの世界記録より約３倍も速いという。【河内敏康】

［毎日新聞１１月１０日］ ( 2003-11-10-21:31 )

http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20031111k0000m040075003c.html