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2003年11月08日(土) 15時03分

<シックハウス>2割が症候群を訴え 昭和大医学部の調査 毎日新聞

 特定の建物の室内環境が原因で何らかの健康障害が出る、最も広い意味での「シックハウス症候群」について昭和大医学部が大規模な意識調査をしたところ、大人・子供とも調査対象の約2割が同症候群を訴えていることが分かった。このうち、ハウスダストなどによるアレルギー症状などを除くと訴えの率は大幅に低下した。専門家は「まずは室内環境を適切にすることが、対策として重要だ」と指摘している。

 昭和大学医学部の小田島安平助教授(小児科学)らの研究チームが調査した。00〜02年度に東京都内、岐阜県、山口県、北海道の医院や小児科外来に来た親子や公立小学校の児童、保護者ら2万229人に調査用紙を配布し、1万8124人(小児9387人、成人8737人)から回答を得た。

 同症候群は、ホルムアルデヒドなどの化学物質によるものを指す場合が多いが、医学的な概念は世界的に確立しておらず、研究者や国によって定義が異なる。研究チームは「室内の化学物質やアレルゲン、微生物などの影響で、体調不良や目・鼻、皮膚、消化器などの症状が起こる健康障害」とシックハウス症候群を広く定義し、質問したところ、成人22.1%、小児19.8%が「ある」と答えた。

 一方、回答に基づき、ハウスダストや微生物によるアレルギー症状や防虫剤などによる一時的な中毒症状などを除外し、「原因不明だが、明らかに特定の建物への滞在で引き起こされた健康障害」を訴える人の割合を算出すると、成人8.5%、小児4.6%となった。いずれも建築年数では大きな差はなかった。

 今回は特定の対象群を調査しており、国民全体の数字とはいえないが、研究グループは、建物滞在が原因の健康障害が、広範に存在することが分かったと指摘する。小田島助教授は「健康被害を訴える人の中には、ホコリなどのアレルゲンや化学物質を掃除で取り除き、適切な室内環境を保つことで改善する症例も多い」と話している。【江口一】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031108-00001046-mai-soci