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2003年11月07日(金) 23時26分

社説2 電子政府の遅れを取り戻せ日経新聞

 国際連合が各国の電子政府の実態調査を発表、日本は総合評価で18位にとどまった。主要官庁のホームページの充実度も30位で、電子政府に関する日本の評価は総じて低い。政府は「e—Japan戦略」に基づき電子政府構想を進めているが、当初の期待より遅れており、実現のスピードを速める必要がある。

 調査は191カ国を対象に、通信インフラや行政手続きの電子化状況などをまとめた。総合評価のトップは米国で、アジア諸国ではシンガポールや韓国が日本を上回った。日本は一昨年の前回調査の27位から順位は上げたが、旅券や運転免許証の申請、納税手続きなどのオンライン化の遅れが指摘された。

 一方、政府がネットでどれだけ国民と対話しているかを示す「e参加指数」では、日本は23位とさらに順位を落とした。トップは英国だが、上位10位にチリ、エストニア、フィリピンなど5つの途上国が入っており、日本より評価が高い。

 電子政府を巡る調査では、コンサルティング会社のアクセンチュアも毎年、各国の電子化の進ちょく状況を調査している。日本は「e—Japan戦略」の推進により昨年から順位を2位上げたが、そこでも15位に甘んじているのが実情だ。

 日本の評価が低い理由は主に2つある。1つは技術インフラはあるが双方向システムができていない、もう1つは各省庁のシステムに統一性が欠け、一方的な情報が多いという点だ。世界経済フォーラムの「世界IT(情報技術)報告」でも日本政府の電子対応は19位だが、利用度は41位となっている。

 しかし一連の調査はあくまで過去の評価であり、日本も来年からは様々な施策が具体化する。1月にはネットを使った手数料などの決済システムが稼働し、2月には名古屋地区を振り出しに電子納税が始まる。3月からはパスポートの電子申請も3県で実用化される予定だ。

 日本は通信インフラの面でブロードバンド(高速大容量)化の遅れが指摘されてきたが、最近は料金と速度の点で世界一に躍り出た。個人情報保護法など法的枠組みも整った今こそ、政府は全力を挙げて電子化に取り組むべきである。

http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20031107MS3M0700M07112003.html