2003年11月07日(金) 06時46分

＜ヤミ金融＞梶山被告、従業員給与まで吸い上げ（毎日新聞）

　祈とう代１万円、風俗店２万円……。指定暴力団山口組五菱会系ヤミ金融グループの総括経営者、梶山進被告（５４）＝出資法違反罪で公判中＝が「義理ごと」と称し、配下の従業員に対し、梶山被告の関係する風俗店などの利用を強要していたことが、警視庁などの合同捜査本部の調べで分かった。梶山被告がヤミ金各店に月１５０万円の上納金を課していたが、新たに従業員の給与まで吸い上げて集金する実態が浮かんだ。

　調べなどによると、祈とうは毎月２日間、東京都新宿区内のホテルで行われた。梶山被告の知人で、北海道苫小牧市の宗教法人の女性教祖が、参加した従業員などに約５分間のおはらいをして３０００〜１万円を徴収。捜査本部は、その一部が梶山被告に還流したとみて調べている。

　また、従業員には月１回、風俗店の利用を義務付けた。店は、五菱会系組幹部（３７）が経営していた豊島区池袋の個室マッサージ店。ヤミ金店長は店の経費などで従業員を引き連れ、１人２万円の利用代を払った。この風俗店は風営法違反容疑で摘発された。

　梶山被告の知人が経営する豊島区南長崎の焼き肉店は、月１度の利用がノルマになっていた。通った従業員は、食べようが食べまいが１人１万円を支払った。

　義理ごとは月１回に限らなかった。梶山被告が経営に関与した食品業者がヤミ金各店を巡回し、毎日「おやつ」の名目で数個のおにぎりを買わせた。

　捜査本部は、従業員から吸い上げた金は五菱会、山口組総本部（神戸市）へ上納金として流れたとみて追及している。【田中義宏】（毎日新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031107-00000148-mai-soci