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2003年11月06日(木) 00時00分

レーガン氏伝記ドラマ、米で地上波放映中止朝日新聞・

 レーガン元大統領と家族を描いた伝記ドラマ「ザ・レーガンズ」を放映予定だった米CBSテレビが、同番組の地上波での放映を中止することになった。一部メディアによって脚本が事前に漏れ、それを読んだ共和党全国委員会や保守系メディア監視団体が、レーガン氏への偏見に満ち好意的でないとして、広告枠の不買などを呼びかけていた。反発を受けて同テレビは4日、11月の看板番組を有料ケーブルテレビでの放送に切り替えることを決めた。

 共和党大統領だった92歳のレーガン氏はいまや、保守・右派から偶像視される存在だ。ドラマは、夫妻の結婚直後からホワイトハウス時代、現在のアルツハイマーとの闘病までを描いた4時間もの。制作に約18億円をかけ、16、18両日のプライムタイムに2部に分けて放映の予定だった。

 だがニューヨーク・タイムズ紙が先月下旬にシナリオの一部を特報すると、元大統領の実像を伝えていないと、共和党や保守派団体から激しい反発が起きた。保守系のテレビやラジオ、インターネットを駆使した批判が展開された。

 ドラマにはレーガン氏が、同性愛のエイズ患者について「罪に生きた者は罪の中で死ぬ」と語る場面がある。だが共和党全国委によれば同氏はそのような発言をしたことはない。同委は「フェアでない」と放映中止を強く求め、放映する場合は10分おきに画面に「ドラマは歴史的事実と異なる」とただし書きを付けるよう文書で要請した。

 レーガン氏の息子マイケル氏はFOXニュースの番組で「来年の大統領選に向けて、父を中傷することで保守の壊滅を狙っている」と非難。保守系のメディア監視団体・メディア・リサーチセンターは「敬愛すべき元大統領がリベラルの狂信者に攻撃されている」として、テレビ広告の実績が上位100位の企業に、広告枠の不買を求める文書を送付した。

 中止を発表したCBS側は、「完成したフィルムを見てバランスが取れていないと判断した。純粋に作品の問題で、圧力に屈したのではない」と理由を説明している。有料ケーブル放送への切り替えで、視聴可能世帯数は1080万から140万に減る。なお反発する保守系団体もあり、放送自体が立ち消えになる可能性もある。


(11/6)

http://mytown.asahi.com/usa/news02.asp?kiji=4937