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2003年11月06日(木) 06時06分

携帯発の110番、発信場所を特定 05年度にも導入へ朝日新聞

 どこからかかってきたか分からない点が問題だった携帯電話の110番や119番通報について、かけた携帯電話の位置を特定するシステムが05年度にも導入されることになった。警察庁と総務省が合意したもので、大手携帯電話会社3社も全面的に協力し、新システムに対応する携帯端末やネットワーク作りにあたる。携帯電話からの緊急通報は急増しているが、固定電話と違って発信位置を特定できないうえ、事件や事故を目撃した通報者が自分のいる位置を正確に伝えられないなど、警察や消防の障害にもつながっていた。

 警察庁によると、02年に受け付けた110番通報は約890万件で、全体の52%がPHSを含む移動電話からの通報だった。110番通報自体も93年の504万件から急増しており、移動中の車からかけられるなど、携帯電話の普及が背景にあるといわれる。

 警察庁や携帯各社が合意した新システムは、カーナビゲーションなどに用いられている全地球測位システム(GPS)を採用し、携帯電話の利用者がボタンを押せば、緯度、経度などの情報を数十メートルの精度でとらえ、警察に地図を伝えるような仕組みを想定している。

 98年に旧郵政省が決めた「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン」で、利用者の同意や裁判所の令状がある場合などを除き、通信事業者が携帯電話の位置情報を他人に提供することを禁じているため、「自分の意思でボタンを押すなどの操作がどうしても必要」(総務省)としている。

 総務省は今月下旬に開く情報通信審議会に新制度の導入を諮問。利用者の「意思表示」の仕方や、通信方式などについて具体的な基準づくりに入る。受信側の設備の構築や運用費については、省庁側で負担する。05年度をめどに警察庁で導入し、その後に消防庁でも対応する。

 システムを利用するにはGPS機能を備えた携帯端末が必要。最大手のNTTドコモとボーダフォンは、今後、主流になるとされる第3世代(3G)携帯端末に同機能をつけて発売する予定で、現時点で主流の第2世代では対応しない方針だ。

 一方、KDDI(au)は既に、GPS対応の商品を21機種販売し、自分のいる位置が携帯端末の画面に刻々と映し出されるサービスを提供しているが、「買い替えが必要かどうかは、具体的な制度の設計による」としている。

 警察庁は「通報者は動揺していることも多く、携帯電話からの通報者の位置を特定するだけで時間がかかり、警察官の派遣に手間取っているのが現状で、新システムに大いに期待している」(地域課)としている。

     ◇

 <全地球測位システム(GPS)> 複数の人工衛星からの電波による時刻情報をキャッチし、その到達時間を解析して自分のいる緯度・経度を割り出す仕組み。

(11/06 06:05)

http://www.asahi.com/national/update/1106/010.html