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2003年11月05日(水) 02時16分

ワクチンや薬が効かないウイルス、米チームが開発朝日新聞

 ワクチンや薬の効かないマウス痘ウイルスを、米セントルイス大の研究チームが遺伝子操作でつくった。人には感染しないという。天然痘ウイルスを使った生物テロの対処法を探るのが目的だが、同じ手法が天然痘ウイルスに悪用されれば、制御不能の爆発的感染が起きる恐れもある。

 マウス痘は人の天然痘にあたるもので、子どものマウスがウイルスに感染すると急死することが多い。同チームは、マウスの免疫機能を抑える遺伝子をマウス痘ウイルスに組み込んだ。01年にオーストラリアの研究者が見つけた方法を発展させた。マウス実験では、ワクチンや抗ウイルス剤が効かずに100%が死んだという。

 マウス痘ウイルスは天然痘ウイルスによく似ており、理論上、天然痘ウイルスで同様の遺伝子操作ができる。このため、「研究がテロリストに悪用される恐れがある」との批判も出ている。

 ワシントン・ポスト紙によると、同大チームは、ワクチン無効のマウス痘ウイルスに対処する二つの方法を見つけ、さらに一つを開発できる見通しだ。米国土安全保障省の幹部は「生物テロの防御法を探る意味で非常に意義がある研究だ」と評価した。

 ニューヨーク・タイムズ紙は、天然痘による生物テロの防御法研究プロジェクトに参加している米陸軍感染症医学研究所のチームは、同様の遺伝子操作をした牛痘ウイルスをマウスに感染させる実験を計画していると報じた。(11/05 02:16)

http://www.asahi.com/science/update/1105/001.html