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2003年11月05日(水) 11時53分

兼松賃金差別訴訟、元女性社員の請求棄却 東京地裁朝日新聞

 総合商社「兼松」(東京都港区)に57〜82年に入社した66〜46歳の社員と元社員の女性6人が、「女性というだけで差別される賃金制度は、労働基準法などに違反する」として、同年齢の男性の賃金・一時金との差額合計と慰謝料計3億1967万円を求めた訴訟の判決が5日、東京地裁であった。山口幸雄裁判長は「兼松の賃金体系は公序に反しない」と述べ、請求を全面的に棄却した。同じ裁判長が昨年、慰謝料請求などを認めた野村証券訴訟とは反対の結論となった。

 判決理由で山口裁判長は、兼松の人事制度について(1)男女のコース別採用・処遇は性差別の禁止を定めた憲法14条の趣旨に反するが、労働基準法に直接違反するとはいえず、採用当時、公序に反していたとまではいえない(2)85年に制定された男女雇用機会均等法に対処するための「職掌別人事制度」は合理的とはいえないが、公序に反するとまではいえない(3)97年に改正された均等法に対応した新人事制度は、職掌間の転換を可能にした合理的な制度だ——と判断した。

 山口裁判長は02年2月、野村証券の女性社員が起こした同様の訴訟で、「少なくとも、男女の差別的取り扱いを禁止した改正均等法が施行された99年以降、男女のコース別人事を維持したのは違法」と初めての判断を示していた。この判決に対しては評価する声が高い一方、「改正均等法以前の男女差別はすべて温存されるという不合理が生じる」といった問題点も指摘されていた。(11/05 11:36)

http://www.asahi.com/national/update/1105/017.html