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2003年11月05日(水) 02時02分

傘下の「2社長」摘発、計5グループ特定 ヤミ金融事件朝日新聞

 暴力団山口組五菱会系のヤミ金融事件で、元暴力団幹部梶山進被告(54)=出資法違反罪で起訴=が「会長」として統括するヤミ金融組織傘下に十数人いるとされる「社長」のうち、宮城県警と大阪府警が新たに2人を割り出した。それぞれ20〜30の末端店舗を抱え、違法な収益は毎月数億円とみられる。2人はともに梶山被告の側近で、不正な収益の大半が神戸市の山口組総本部に流れているとみる捜査当局は、社長らの取り調べで国内最大暴力団の資金集めの解明を進める。

 警視庁や愛知、広島など6都県警でつくる合同捜査本部の調べでは、ヤミ金融組織はピラミッド型だ。梶山被告の下に直属の「社長」が十数人いて、社長はそれぞれ末端店舗を管理する「センター」を管轄している。センターの数は20を超え、その下に1000前後の末端店舗が連なる。

 宮城県警が逮捕したのは「SI」と呼ばれるグループ社長の阿蘇品秀明容疑者(41)。阿蘇品容疑者は00年秋ごろ社長になり、東京都内にある約20の店舗と、一つの「センター」を統括していたという。

 センターから押収したパソコンには約12万人分の債務者情報が保存されていた。県警は阿蘇品容疑者のグループの売り上げは00年秋以降、50億〜60億円とみている。

 一方、大阪府警が指名手配したのは「OK」と呼ばれるグループの社長奥野博勝容疑者(27)。約30店を抱え、毎月数億円の収益があったとみられる。奥野容疑者は傘下の末端店舗を5、6店ずつの「ブロック」に分けて管理していた。ブロックの責任者とされる「ブロック長」は、ほかのブロックの実情をまったく知らされていなかった。警察の摘発に備えていたとみられる。

 捜査本部はこれまで一連の事件で、のべ39人を出資法違反容疑で逮捕したが、大半は末端店舗の店長や店員だった。組織の核心を知るとみられる社長の一人で「TO」グループ責任者の元暴力団組員松崎敏和被告(34)=出資法違反罪で起訴=を8月に逮捕したが、具体的な供述は得られなかった。

 今回の「SI」と「OK」の摘発で、捜査本部が存在を確認した社長グループは五つ。ほかに10前後のグループがあるとみている。それぞれの社長は、山口組系暴力団の組長や梶山被告が関係する会社の役員らが務めているとされる。(11/05 02:02)

http://www.asahi.com/national/update/1105/005.html