2003年11月04日(火) 00時00分

生後２１カ月ＢＳＥ感染 肉骨粉禁止後、例ない若さ　 ９例目、初の西日本生まれ　 （東京新聞）

　厚生労働省の牛海綿状脳症（ＢＳＥ）専門家会議が４日午後開かれ、全頭検査で疑陽性と診断されていたホルスタインの感染を確認した。２００２年１月に兵庫県で誕生し広島県で飼育された生後２１カ月の雄で、世界でもほとんど例がないほど若い。国内９頭目の感染牛となり、西日本生まれでは初めて。

　１０月に「新型のＢＳＥ」と診断された８頭目（生後２３カ月）と同じように、０１年９月に国内初の感染牛が確認され同１０月に感染源とされる肉骨粉の製造、販売が禁止された後に生まれており、厚労省と農水省は感染ルートの解明に全力を挙げる。

　専門家会議によると、８例目はＢＳＥの原因となる異常プリオン（タンパク質）のパターンが従来のものとは違ったが、今回は従来の異常プリオンと同じだったという。

　厚労省によると、解体前に運動障害などの症状はなく、脳の空胞を調べる病理組織検査などでも陰性だったが、「ウエスタンブロット法」による二次検査で異常プリオンが検出され、専門家会議は感染牛と診断した。

　牛は０２年１月１３日に兵庫県で生まれ、同２月５日に広島県福山市に移されて食肉用に肥育。別の畜産家が市内の食肉センターに搬入し、先月２９日に処理された。同市食肉衛生検査所による一次検査で疑陽性となり、国立感染症研究所（東京）が確認検査を実施した。

　農水省のＢＳＥ技術検討会は８頭目確認後の１０月下旬、「従来と同様、飼料が重要で、製造から給与までの交差汚染の可能性を精査すべきだ」との見解を示した。残った肉骨粉が誤って与えられたり、工場の製造ラインに付着していたことなどが考えられているが、解明は進んでいない。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/detail/20031104/fls_____detail__058.shtml