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2003年11月04日(火) 20時55分

ネット上の中傷書き込みで実刑判決  朝日新聞

 車ではねて死亡させた被害者の両親を、インターネットの掲示板で中傷する内容の書き込みをしたとして、名誉棄損の罪に問われた大阪市平野区の会社員東●誠被告(28)に対する判決公判が4日、大阪地裁であった。並木正男裁判官は「インターネットによる被害は急速かつ広範囲に広がるため影響は大きく、責任は重大だ」と述べ、懲役1年4カ月(求刑懲役2年)の実刑判決を言い渡した。ネット上の書き込みをめぐって実刑判決を受けるのは異例だ。

 判決によると、被告は00年4月、大阪府泉佐野市内で車を運転中、バイクに乗っていた高校3年生(当時17)をはねて死亡させ、業務上過失致死罪で起訴された。01年7月に大阪地裁岸和田支部で論告求刑公判があった翌日、被告はインターネットの掲示板に高校生の両親、角野茂樹さん(49)、京子さん(48)夫妻の実名を記し、「最悪。人間のくず。ただの出しゃばり」などと書き込み、削除されるまでの約1年10カ月の間、不特定多数の者に閲覧させて名誉を傷つけた。

 並木裁判官は「被害者の心情を顧みない自己中心的な犯行で酌量の余地はない。事故で長男を失い、加害者から中傷を受けた被害者の苦痛は理解できる」と述べた。

 交通事故の公判で被告は反省の態度を示し、懲役2年執行猶予5年の判決を受けた。今回の実刑判決が確定すれば、執行猶予は取り消され、あわせて懲役3年4カ月の刑を受けることになる。

 茂樹さんは名誉棄損事件の公判に証人として出廷し、「私たち家族が再起できるのは、被告が厳しく処罰されることだけだ」と厳罰を求めていた。京子さんも、長男の遺骨を抱いて傍聴を続けた。4日の判決後、「悪いことをした人が制裁を受けたと、やっと子供に報告できます」と涙を浮かべて話した。

 (●は「堅」の「臣」を「田」に変えた字)(11/04 20:52)

http://www.asahi.com/national/update/1104/031.html