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2003年11月04日(火) 11時37分

ダウンロードサービスに広く影響、米デジタルメディア特許訴訟ZDNet

 米デジタルメディア企業のSightSound Technologiesが、メディア大手Bertelsmannの子会社を相手取った特許訴訟で自社に有利な判決を勝ち取った。この訴訟は、ネット経由の音楽・動画ダウンロードビジネスに広範な影響を及ぼす可能性がある。

 SightSoundは、ネット上でのデジタル音楽・動画の販売およびダウンロード提供に関する3件の特許を保有している。同社は1998年、1980年代後半に取得した特許を侵害されたとしてインターネットサイトのCDNow(Bertelsmann子会社)を提訴していた。

 米ペンシルベニア州西部の連邦地裁は10月30日、SightSound側の略式判決請求を認め、5年に及ぶこの論争の陪審裁判への道を開いた。Bertelemann側は、SightSoundが米特許商標局に正しい情報を提出していなかったとして公判回避を求めていたが、連邦地裁はBertelsmann側のこの請求を退けた。

 SightSoundの弁護士は「法廷が理にかなった判断を下したことを喜んでいる。公判を楽しみにしている」とする。Bertelsmannからのコメントは得られていない。

 もし陪審がSightSoundに特許行使の権利ありと判断した場合、大手の音楽レーベルも含め、ネット上で音楽や動画を販売しているほぼすべての企業が影響を受ける可能性がある。ここのところ合法的なネット配信サービスの種類が増えていることを考えると、この訴訟の重要性は大きいと言える。

 今回の司法判断は最終判決ではないが、オンラインメディアを支える最も基本的な技術を「私的所有物」とする見方を、これまでより強めたものと言えそうだ。

 SightSoundが1992年に認可を受けた特許は、「通信回線」を経由した「デジタルオーディオ/ビデオ信号の電子的販売と配信」のための技法をカバーしている。データのエンコードや転送に関する特定の技術をカバーしたものではないが、通信回線経由で1地点から他地点へデジタルオーディオ/ビデオ信号を送信し、その過程でオーディオ/ビデオのコピーを消費者のコンピュータに保存し、クレジッドカードを使って支払いをするという流れの基本的なモデルを概説した内容だ。

 CDNowは、この特許はインターネット経由の伝送をカバーしたものではないと反論してきたが、特許範囲についての連邦判事の判断は、SightSoundの主張をおおむね認めるものとなっている。

 この訴訟では11月12日、公判前の当事者間和解検討会議が開かれる予定。和解に至らなかった場合、1年以内に公判が開かれることになるだろう。(ZDNet)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031104-00000019-zdn-sci