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2003年11月04日(火) 09時18分

サイト内検索改善策へのヒントjapan.internet.com

サイト内検索機能についての話を続けよう。

サイト内検索の機能を向上させるためにサイト運営者が気をつけるべき点は、実はひとつしかない。それは、「そのサイトのターゲットユーザーがどのような検索機能を欲しいと思っているか」である。

何を当たり前のことを書いているのかと思われるかもしれないが、そもそも「ターゲットユーザーとは広く一般である」というような思考停止を行った上で、運営側の都合、すなわち、「安く作れて手が掛からず、それでいてユーザーにとっても役に立つ」というような機能を求める向きが多すぎる。はっきり言うが、それはあまりに虫がよすぎる願いである。

サイト内検索は、機能だけで成立しているのではない。機能に加え、「どのような検索結果」を「どのように表示していくか」という部分がキモなのであり、それらについて決断を行うときのキーとなるのがターゲットユーザーである。ターゲットはひとつのセグメントに絞り込まれるわけではなく、通常いくつかのセグメントに分かれるが、それでも決して広く一般などという抽象的なものではないことに注意してほしい。検索に限った話ではないが、サイト運営に使えるリソースが無尽蔵でない限り、選択と集中が必須となる。

ターゲットユーザーがどのような検索結果を理想と考えるか——そこから逆算してサイト内検索の設計を行っていくのだが、設計上の具体的なヒントについて、ここでは3つに絞って説明する。

1.検索語が検索結果にマッチするよう支援する
2.検索結果の表示方法を検討する
3.検索失敗時のフォローを考える

1.検索語が検索結果にマッチするよう支援する

企業サイトにおいてユーザーが検索する語の範囲は限定されている。したがってその範囲にフィットする結果を表示すべきである。

よくあるのが、製品紹介サイトであるにもかかわらず、自社製品の型番や製品名に対し、その製品のページがヒットしないケース。また、業界の専門用語など、特殊な語彙を持つサイトの場合、通常の全文検索機能を使っているだけだと、検索精度が低くなってしまうことがある。検索精度を上げるためには、そのサイトでよく検索される用語を登録する「ユーザー辞書」の導入を検討する必要がある。

ご存知の方も多いと思うが、検索語に対するマッチング問題は奥が深い。ユーザーは必ずしも、求めているコンテンツを正確に指し示す検索語を使用するわけではない、という事実もあり、日本語の表記特有の問題もある。これらに対応するために、表現のゆらぎの吸収や類義語辞書の導入を考えるのも悪くないが、それよりもまず、ユーザーが入力した語に対して、検索結果が期待されているものになっているかどうか、から検討を始めたほうがよい。検索時に暗黙のうちに期待した検索結果が返ってこないことが、ユーザーの落胆につながるからだ。

2.検索結果の表示方法を検討する

検索結果表示については、サイトの性格にもよるが、グルーピングすることを強くお勧めする。ここでのグルーピングとは、検索結果をすべて同じ扱いで並列に表示するのではなく、いくつかのセクションに分類して表示することを指している。グループとして考えられるのは、検索語にマッチした検索結果のセクション(メイン部分)、関連カテゴリのセクション、関連キーワードのセクションなどである。

ショッピングサイトのサイト内検索を例にとって考えてみよう。検索語にマッチした商品ページが検索結果に含まれることが第一に必要である。検索結果としての見え方としては、商品名、価格、そして可能であるならば商品画像も含まれていると、商品詳細ページへの効果的な誘導となるだろう。ショッピングサイトの場合、検索結果ページでテキストによって長々と商品の性質を説明するよりも、商品の属性および実際の商品写真を見せていくほうが効果的なケースが多いからだ。価格順や新着順による並べ替え機能なども追加できるとなお便利である。

ただ、これらだけではやや不足で、その商品が属するジャンルやカテゴリ、サブカテゴリなどの提案もしていくのがよい。店舗で当初購入予定だったもの以外にも、商品をつい手にとって買ってしまった経験はないだろうか? その体験をオンラインでも再現するのだ。ただ、あくまで「ユーザーが検索した語に関連するものを表示する」ということを主眼にしないと、「自分には関係のない不要な情報を押しつけられている」的なノイズとしてユーザーに解釈されてしまうので注意すること。

3.検索失敗時のフォローを考える

どんなにすばらしい検索機能を実装していたとしても、それがユーザーの入力した検索語に対して結果をインタラクティブに返すものである以上、不測の事態も存在するわけで、検索結果がいつも必ず表示されるというわけにはいかない。また、検索語の指し示す概念が広すぎる場合、結果が多すぎることもある。どちらの場合にも再検索をうながす必要がある。検索結果がゼロあるいは少なすぎる際には、どの語を入力したらそういう結果になったのかがわかるように、検索語を再表示すると同時に、再度別の語で検索がかけられるよう、検索窓を表示することは必須であるし、さらに結果が見つかりやすいような検索のアドバイスも入れられるならなおのこと親切である。また、検索結果が多すぎる際には、別の語を付け加えて絞込み検索ができるようにするべきであるし、そもそも大規模サイトの場合は、ジャンルごとに検索範囲の切り分けをし、検索範囲の選択ができるようにしておくのがよい(複数のインデックスを持たせるということになる)。

以上、今回はサイト内検索をよりよくしてくためのヒントについて簡単に述べてきたが、最後にもっとも大切なことを記しておきたい。サイト内検索は生き物であり、サイトがある限り、メンテナンスを続け、サイトとともに成長していくべきものである。ユーザーの検索ログを分析し、より良い結果を表示させるよう工夫をしていくこと、すなわち、手塩にかけて育てていくことが何よりも大切である。完全無欠な検索というものをいまだかつて人は目にしたことがない。それだけに検索は、機能を導入してそれでおしまい、というようなものとは対極の存在であるということにご留意いただきたい。サイト内検索に愛と手間を。それはユーザーに必ず伝わるものであるのだから。

記事提供: ファンサイド


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