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2003年11月02日(日) 08時59分

税滞納保護者への助成金保留 荒川区、私立幼稚園など朝日新聞

 東京都荒川区は今年度から、高齢者家賃補助や区民住宅入居の許可などを、住民税や国民健康保険料を滞納している人については保留する措置をとった。私立幼稚園や外国人学校に子供を通わせる父母を対象にした助成金についても、同じ措置を始めた。どの保護者が滞納しているか、学校や園にわかるようになり、父母たちの一部には釈然としないという声が上がっている。

 荒川区は、朝鮮学校など外国人学校に子が通う区内在住の父母に一律で月額7000円(外国人幼稚園は6000円)、私立幼稚園の父母には所得に応じて月額8500円〜1万3000円を補助してきた。公立学校などに比べ重い負担を軽くするためで、昨年度は合計で外国人学校192人分、1550万円、幼稚園1583人分、1億7800万円になった。

 一方で区は、住民税や国民健康保険料の昨年度の滞納額が、約25億円にも上る。徴収率を上げようと、今年度から個人対象の補助金については、税や国保料未払いや税未申告の人への支給を保留することを決めた。

 外国人学校や幼稚園の保護者補助の場合、支給は半年ごとで、学校や園ごとにとりまとめる所が多い。今年度前期分は、9月に保護者から申請を出してもらい、区側が滞納がないかどうかチェックした上で、10月末までに各学校・園に補助対象者の名簿を通知し、助成金を出した。

 今回は全体で数十人が滞納や未申告だったという。区は、税減免や分割払いなどの相談をするよう促す手紙を個別にも送ったが、結果的には学校・園側も、対象から漏れた保護者の名前を知ることになった。

 区によると、年度初めの4月、保護者に新方針を知らせ、助成金の取り扱いを学校・園に委任する文書を出してもらったという。もし自分の税情報を知られたくない場合は、学校を通さず個人で申請し、受け取ることも可能だと説明している。また、学校や園と「個人情報保護に関する覚書」を交わし、秘密保持を求めた。学校や園に督促してもらうことは想定していないという。

 だが区内の幼稚園の中には、保護者に督促の電話をかけた園があった。在日朝鮮人が通う東京朝鮮第1初中級学校の関係者も「助成金が減るのは苦しい。今は区に督促を任せているが、いずれ学校から滞納した父母におうかがいすることもありえる」と話す。同校の父母の間では「税対策とはいえ、区はそこまでやらなくても」という声もあがっている。

 区総務課は「説明の仕方などで、もっと配慮が必要だったかもしれない」と話す。

 税滞納や国保料未収問題は、どの自治体も大きな悩みだ。区側は「滞納者に助成しないという趣旨ではなく、これを機に分割払いや減免申請の相談をしてもらうのが目的」と言っている。(11/02 08:59)

http://www.asahi.com/national/update/1102/007.html