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2003年11月02日(日) 21時46分

トヨタF1開発会社をスパイ容疑で捜索 独ケルン警察朝日新聞

 ドイツ西部ケルン市の警察は30日、トヨタのF1カーなどを開発しているTMG(トヨタ・モータースポーツ有限会社)を、イタリア・フェラーリから情報を不正に入手した容疑で捜索。従業員1人を事情聴取したほか、コンピューターや磁気ディスク類を押収した。同警察が2日、明らかにした。

 地元の日刊紙ケルナー・エクスプレスによると、トヨタのF1「TF103」とフェラーリの「F2002」は「酷似」していることから、トヨタはフェラーリを2年前に退職し、TMGに移籍した技術者から機密情報を違法に買ったといううわさが流れていた。フェラーリが告訴し、イタリア司法当局は、この技術者を産業スパイ容疑で捜査している。

 30日の捜索はイタリア側から要請を受けて、ケルン市の警察が、TMG社内で車体のデザインを担当する空気力学部門を中心に行った。

 TMGは2日現在、コメントしていないが、トヨタチームのアンダーソン代表はエクスプレス紙に対し「TMGが捜査対象ではない。従業員の1人が調べられただけだ」と語っている。

    ◇

 トヨタ自動車の本社広報部は2日、「捜査を受けたのは事実だが、詳細は確認中でコメントできない」とし、事態の確認を急ぐ構えだ。参戦2年目で全レース入賞の目標を逸した直後だけに、今後の推移次第ではF1をテコにした欧州などでのブランド戦略に影響が出かねない、との懸念もある。

 トヨタがF1に参戦したのは02年。最初からエンジンも車体も自前主義で臨んでいる。F1で実績豊富なホンダがエンジンを担当し、車体は欧州のレースチームと共同開発してきたのとは対照的だ。ただ、人材引き抜きに頼りがちで、今回のようなトラブルが起きるリスクも高かった。

 トヨタは、独ケルンにモータースポーツのための現地法人TMGを設立し、年間400億〜500億円ともされる資金を投じて、F1参戦3年以内に表彰台(3位以内)に立つことを目指している。

(11/02 21:07)

http://www.asahi.com/international/update/1102/007.html