2003年11月02日(日) 03時02分

＜農作物＞携帯電話で生産者、農薬チェック　山形産洋ナシから（毎日新聞）

　消費者が携帯電話を使って、店頭の農作物を、生産者や農薬散布回数、流通経路などを確認しながら購入することが出来る全国初の試みが１日、山形県特産の洋ナシ「ラ・フランス」を使ってスタートした。対象となるのは、まだ山形市の店頭に並ぶ洋ナシだけだが、「食」の情報に対する消費者の関心が高まる中での試みで全国的にも注目されそう。

　生産農家が出荷した洋ナシの箱にはインターネットのアドレスを記したラベルを添付。消費者は携帯電話などを使い、店頭で、生産者名や肥料の種類などの「栽培履歴」を確認できる。また箱には「ＩＣチップ」も取り付けられており、同様の情報を店頭の専用端末で見ることも可能だ。

　アドレスの添付された洋ナシは、地方卸売市場を経由して、生活協同組合共立社「しろにしセンター」の店舗で販売されている。同県では、昨年、発がん性が指摘される無登録農薬が大量に販売される事件が起きており、生産者や市場、小売店などが協力して、安全な農産物を提供できるシステム作りに取り組んでいた。

　地方卸売市場を経営する井上直洋社長は「これからの農産物は、安全と安心が当たり前だ」と話している。【太田誠一】（毎日新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031102-00000100-mai-soci