2003年11月01日(土) 15時05分

＜ヤミ金融＞第４の組織判明　五菱会（毎日新聞）

　指定暴力団山口組五菱（ごりょう）会による組織的ヤミ金融事件で、出資法違反の罪で起訴された梶山進被告（５４）が統括している同会系のヤミ金融グループに「ＳＩ」と呼ばれる四つ目のグループがあることが分かった。宮城県警が先月１６日に同法違反容疑で逮捕した阿蘇品秀明容疑者（４１）＝東京都渋谷区広尾１＝がリーダーを務めていた。警視庁と宮城県警など５県警の合同捜査本部は同２４日の山口組総本部の家宅捜索で押収した資料の分析とともに、グループの全容解明を進め、ヤミ金の不法収益の流れを追及する。

　捜査本部の調べで、梶山被告の配下には「梶山７人衆」と呼ばれる幹部がいたことが分かっている。それぞれがヤミ金融グループの責任者を務め、捜査本部はこれまでに「ＡＲ」「ＦＣ」「ＴＯ」の３グループを摘発。ＳＩは４グループ目。

　宮城県警の調べでは、「ＳＩ」は阿蘇品容疑者の配下の執行幹部、鈴木拓也容疑者（２３）＝同法違反容疑で既に逮捕＝が５人の「集金人」を抱え、集金人がヤミ金融店舗２２店を管理するピラミッド構造になっていた。他のグループと同様、顧客情報を管理する「センター」を構えていた。センターは摘発を免れる目的で短期滞在型マンションを使い、２カ月ごとに移転していた。

　ＳＩの店舗は１２万人の多重債務者名簿を元に、ダイレクトメールや電話で全国の顧客を勧誘し、１人の客に多重に貸し付ける「システム金融」を展開していた。

　ＳＩはほかのグループと同様、阿蘇品容疑者が名乗っていた「新堂誠」のイニシャルから付けていた。阿蘇品容疑者は梶山被告が経営する経営コンサルタント会社などの元役員。【田中義宏、棚部秀行】（毎日新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031101-00001062-mai-soci