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2003年11月01日(土) 14時49分

「三つ星」1300人返上 個人タクシー 九州独自に基準厳格化 煩雑手続き西日本新聞

 全国個人タクシー協会(本部・東京)が優良運転手を認定する「三つ星」制度をめぐり、同協会九州支部(福岡市)に加盟する運転手の間で反発が強まり、全体の三分の一強にあたる、約千三百人が「三つ星」を返上していることが分かった。支部が「制度のイメージをさらに高めよう」と認定基準を独自に厳格化したのが発端。「手続きが煩雑になり、出費も増える」と申請を見送る運転手が続出している。

 認定基準を見直したのは昨年九月。それまでの基準に加えて、新たに国交省関連の自動車事故対策機構で受ける適性診断(二千二百円)と医師の健康診断書(三千—四千円)を毎年提出するよう義務付けた。

 これに対し、運転手側は「そこまで手間と経費をかけろとは」と反発。切り替え時の申請を見送る者が相次ぎ、それまで三千四百六十八人いた九州の「三つ星」運転手は、この一年で千三百二十七人も激減した。

 「事故を起こすなど資格を失った運転者も含まれるが、それでも、有資格者なのに申請しなかった運転手は千人を超すはず」(同支部)という。

 申請を見送った福岡県久留米市の運転手(54)は「検査などで二、三日はつぶれる。事実上、数万円の赤字。不況の中、とてもじゃない」と打ち明ける。

 「これまでも、星をつけていたからといって客が増えたわけでもない」と、制度自体を疑問視する声も出るほど。

 同支部は慌てて認定基準を緩和したものの、「三つ星」返上者はさらに増えそうな見通しという。同支部の大坪東吉郎監事は「自由化でタクシー業界はさらに厳しい状況を迎える。生き残るためには差異化を図るしかない。考え方は間違っていないはずだが、こんなに反発があるとは…」と戸惑いを隠せずにいる。

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ワードBOX=「三つ星」タクシー

 正式名称は「優良個人タクシー事業者認定制度」。全国個人タクシー協会が1998年に導入した。フランスのレストランの格付けにならい、信頼度を星の数で示した屋上灯を掲げる。運転手のモラル向上と客へのアピールが狙い。運転手は毎年、無事故・無違反か、健康管理や車内の清掃、服装などは適切かなど約30項目を自己点検。支部に申請し、認定を受ける。2年続けて認定されれば「三つ星」となり、表示灯を車に設置できる。登録料金は全国一律で年間2400円。(西日本新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031101-00000072-nnp-kyu