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2003年10月31日(金) 21時12分

オウム松本被告の公判結審…最後の意見陳述せず読売新聞

 地下鉄、松本両サリン、坂本堤弁護士一家殺害など13事件で27人を死亡させたとして、殺人罪などに問われたオウム真理教の麻原彰晃こと松本智津夫被告(48)の公判は31日午後、東京地裁(小川正持裁判長)で初公判から7年半ぶりに結審した。

 弁護側の最終弁論の後、松本被告は最終意見陳述の機会を与えられたが、いっさい口を開かなかった。13事件については、弟子たちの判決でいずれも松本被告の指示が認定されており、来年2月27日の判決では、求刑通り死刑が言い渡される公算が大きい。

 31日午後の弁論で、弁護側は最も多い12人の死者が出た地下鉄サリン事件について、警察の強制捜査が迫ったことに危機感を抱いた村井秀夫元幹部(故人)と井上嘉浩被告(33)が相談して、企画、立案したとしたうえ、「被告は指示していない」と主張し、他の事件同様、「弟子の暴走」論を繰り返した。

 渡辺脩弁護団長は最後に「事件の真相が分からなかったのは、警察、検察が、教団の宗教活動など、本来調べるべき基礎的な事実をすべて切り捨て、違法な証拠収集を強行したため」などと捜査批判を展開し、弁論を締めくくった。

 その後、小川裁判長が松本被告に「判決前に述べておきたいことがあったら述べて下さい」と最後の意見陳述を3回促したが、松本被告は何も答えなかった。

 松本被告は、初公判から1年後の97年4月と検察側が訴因変更した後の98年1月に、法廷で無罪を主張したが、その後は、事件についていっさい口を閉ざした。

 松本被告の審理は、月3—4回のペースで進められたが、事件数が多いうえ、弁護側が検察側の提出した大半の証拠を争ったため、長期化し、審理は1996年4月の初公判から7年半、256回に及んだ。この間、弟子の被告や被害者、化学物質の鑑定人ら171人、延べ522人に証人尋問が行われ、尋問時間は検察側が約200時間、弁護側は1000時間を超えた。

 オウム真理教による一連の事件では、複数の死者を出した地下鉄、松本両サリン、坂本弁護士殺害の3事件のいずれかの実行犯だった中川智正被告(41)、新実智光被告(39)、早川紀代秀被告(54)ら元幹部10人が、すでに死刑判決を受けている。松本被告は、こうした弟子の判決で、いずれも事件の首謀者と認定されていることなどから、関係者の間では、死刑判決は避けられないとみられている。

 元オウム幹部のうち、松本被告以外で一審判決が出ていないのは、土谷正実被告(38)(死刑求刑)だけ。同被告の判決も来年1月30日に予定されており、松本被告の判決前には、全被告の一審判決が出そろうことになる。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031031-00000007-yom-soci