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2003年10月30日(木) 21時08分

殺人未遂:ネット掲示板で妻の殺害依頼 夫を逮捕 滋賀毎日新聞


 インターネットの掲示板で知り合った男に「報酬3000万円で妻を殺してくれ」と依頼したとして、滋賀県警捜査1課などは30日、同県守山市水保町、印刷業、川下宏容疑者(34)を殺人未遂容疑で逮捕。依頼を受けて同容疑者の妻(34)を襲った東京都板橋区弥生町の新聞販売店従業員、五十川淳容疑者(33)=強盗致傷容疑で逮捕=を殺人未遂容疑で再逮捕した。川下容疑者は「夫婦仲が悪くなり殺害を頼んだ」などと供述しているが、妻には1億円近い保険金がかけられていたといい、動機をさらに追及する。

 調べでは、五十川容疑者は今月29日午後2時45分ごろ、川下容疑者の自宅玄関で、帰宅した妻の背中に持参したスタンガン(高電圧銃)を押しつけて倒し、近くにあったビニールひもで首を絞めて顔などに軽傷を負わせた疑い。

 妻は、五十川容疑者を振り払って隣家に逃げ込み、五十川容疑者は走って逃げたが、近くにいた男性に路上で取り押さえられ、駆けつけた県警守山署員が強盗致傷容疑で現行犯逮捕した。

 五十川容疑者が今月中旬、インターネットのサイトに「何かいいもうけ話があれば教えて」と書き込んだ。その数日後、川下容疑者が五十川容疑者の携帯電話のメールに返信。面識がないまま、メールで数回やり取りをして、「現金3000万円を払うのでターゲットを殺してほしい」という依頼に五十川容疑者が応える話がまとまったという。

 五十川容疑者は逮捕後、「空き巣目的で入った」と供述していたが、妻の顔写真を持っているなど不審な点があり、追及したところ、「殺害目的だった」と認めたという。

 川下容疑者は偽名を使って五十川容疑者と連絡を取り合い、殺害する相手が自分の妻とは伝えていなかった。今月中旬、妻の写真や自宅の合鍵、連絡用のプリペイド式携帯電話とともに現金数十万円をリュックサックに入れて、大津市内のJR堅田駅構内に置くなどして渡した。

 川下容疑者は数百万円の借金があり、妻に対しては、以前経営していた弁当屋の経営を巡って口論となって、それ以来仲が悪くなったと供述しているという。

 両容疑者は逮捕されるまでメールと電話による接触だけだったという。【田中龍士】

◇不気味さ感じる

 ネットワーク犯罪に詳しい園田寿・甲南大法学部教授(刑法)の話 インターネットでつながった者同士が、集団自殺やレイプ事件を起こした例は過去にもあるが、殺人まで依頼して実行しようとしたケースは国内では非常に珍しい。殺人依頼という内容のメッセージは、雑誌の投稿では編集というフィルターがあり難しかったが、ネット上では匿名性を保ったまま実行可能で、今後も同様の事件が起きかねないという不気味さを感じる。

[毎日新聞10月30日] ( 2003-10-30-21:08 )


http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20031031k0000m040044002c.html