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2003年10月30日(木) 21時45分

<山口組組長>抗争巻き添え死で8000万円賠償命令 大阪高裁毎日新聞

 95年、指定暴力団山口組の下部組織の組員に抗争相手と間違われて射殺された京都府警の藤武剛巡査部長(当時44歳、後に警部昇進)の遺族が、民法の使用者責任に基づき、山口組の渡辺芳則組長(62)ら4人に総額約1億6400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、大阪高裁であった。林醇裁判長は1審・京都地裁判決では認められなかった渡辺組長の使用者責任を認め、4人に総額約8000万円の支払いを命じた。警察庁によると、暴力団抗争を巡る民事訴訟で、全国最大規模の山口組トップの使用者責任が認められたのは初めて。渡辺組長は上告する。

 事件は95年8月25日未明、京都市左京区で発生。指定暴力団会津小鉄会系の組事務所近くで警戒にあたっていた藤武さんが、山口組の3次団体の組員に会津小鉄会系組員と間違われて射殺された。このため、藤武さんの妻(51)と子ども3人が、実行犯の組員2人とその組長の他、上部団体である山口組の渡辺組長を相手取って提訴した。

 裁判では、(1)渡辺組長が3次団体組員の使用者と言えるか(2)暴力団にも事業の観念を適用し、殺害行為が渡辺組長の事業だったと言えるか——が争点だった。

 林裁判長は渡辺組長が使用者であるかどうかについて、「下部組織の構成員は山口組の統制下にあり、渡辺組長は抗争を指揮監督することが可能な使用者の地位にある」と認定。そのうえで「下部組織の対立抗争であっても、上部組織や組織全体の維持拡大と密接に関連しており、誤射殺も渡辺組長の事業と密接に関連する行為」と述べ、同組長の使用者責任を明確に認めた。

 昨年9月の1審判決は「山口組本部の抗争に発展しておらず、誤射殺が渡辺組長の事業に密接に関連するとは言えない」などと渡辺組長の責任を否定。残る3人に同額の賠償を命じていた。実行犯の組員2人は殺人罪などで懲役18年と同7年の判決が確定している。【堀川剛護】

 渡辺組長の弁護団の話 判決にはいくつかの重大な事実誤認があり、使用者責任の解釈に根本的な誤りがある。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031031-00000076-mai-soci