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2003年10月30日(木) 12時20分

日産が102万台リコール 過去2番目の多さ産経新聞

 日産自動車は30日、「サニー」など25車種のエンジンに欠陥が見つかったとして、国土交通省にリコール(無料の回収・修理)を届けた。対象は計約102万台。1メーカーから1度の届け出としては1969年にリコール制度が始まって以来2番目の多さ。

 同じ部品を使った車計約153万台が海外に輸出されたり、現地生産されており、日産が負担する費用は計150億−160億円に上る見通し。

 これまで走行中にエンジンが止まるなどのトラブルが215件報告されているが、事故は発生していない。国交省の担当者は、コスト削減を図るため同じ部品を使ったことが大量のリコールにつながった可能性があるとみている。

 過去最多も日産で、96年に配線の不備などにより火災の恐れがあるとして約105万台を対象に届けた。

 今回の対象には日産車のほか、日産が生産したマツダとスバルの各1車種が含まれる。

 輸出されたり、現地生産されたのは北米で約70万台、欧州が約46万台、その他の地域が約37万台。今後、現地法人を通じてリコール手続きを取る。

 エンジンの回転数を感知するセンサーに使っているはんだが、エンジンの熱で変形しショート、エンジンがかけられなくなったり、走行中にエンジンが止まり再始動できなくなったりする恐れがある。

 国交省によると、走行中にエンジンが止まると速度は落ちるが、急に止まることはないという。

 対象車の生産期間は98年4月−今年5月。問い合わせ先は日産自動車お客さま相談室、フリーダイヤル(0120)315232。

 リコール対象の25車種は次の通り。

 【日産自動車】

 サニー▽マーチ▽キューブ▽ブルーバードシルフィー▽ティーノ▽プリメーラ▽ブルーバード▽AD▽ウイングロード▽エキスパート▽アベニール▽プレサージュ▽バサラ▽エクストレイル▽セレナ▽リバティ▽シーマ▽スカイライン▽エルグランド▽ステージア▽セドリック▽グロリア▽フェアレディZ

 【マツダ】

 ファミリア

 【スバル】

 レオーネ

 ≪部品共通化に潜む危険示す≫

 日産自動車の過去2番目に多い約102万台のリコール(無料の回収・修理)の背景には、コスト削減のため共通の部品を多くの車種で使用していることがある。自動車メーカーが世界規模で進めているエンジンや部品の共通化の裏に、大きな危険が潜んでいることが浮き彫りになった。

 自動車業界は現在、エンジンや変速機などを取り付ける骨格に当たる「プラットホーム(車台)の統合」に積極的に取り組んでいる。

 車台の統合は、膨大な数と種類の部品やシステムの共通化へ波及するため「3割のコストダウンが実現する場合もある」(関係者)からだ。既存の車台を使えば新車開発の期間が3−5割程度短縮できるメリットもあるという。

 日産は車台数を「マーチ」「サニー」など5車種程度に絞り込んだ上、将来は提携しているルノーとの間で再統合する方針だ。

 「今回の部品は車台統合とは直接関係がない」(広報部)とはいうものの、今後車台の統合が進めば、万一部品に欠陥があった場合、さらに大きなリコールにつながる可能性もある。自動車各社は海外メーカーとも提携を強めており、同様の問題が国境を越えて起きることも予想される。部品共通化に潜む危険示す

 リコール 自動車の欠陥が判明した場合、メーカーや車の輸入販売会社が国土交通省に届け出て無料修理する制度。2002年度の届け出台数は約301万台。現在は、自動車に設計や製造に基づく欠陥があるケースが対象だが、来年1月からは「後付け装置」のタイヤやチャイルドシートもリコール対象となる。2000年に発覚した三菱自動車工業のクレーム隠ぺい事件を機に昨年、道路運送車両法が改正され、国交省に虚偽報告したメーカーに対する罰金を最高2億円とするなど罰則が強化された。

http://www.sankei.co.jp/news/031030/1030kei067.htm