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2003年10月29日(水) 00時00分

オウム・中川被告に厳刑へ 坂本一家殺害サリンなど全11件の責任認定 東京新聞

 地下鉄サリン事件のサリン製造役や坂本堤弁護士一家殺害事件の実行犯などとして、計十一事件で殺人罪などに問われ、死刑を求刑された元オウム真理教幹部中川智正被告(41)の判決公判が二十九日午前、東京地裁で始まった。岡田雄一裁判長は主文の言い渡しを後回しにし、判決理由を朗読。主文の言い渡しは休憩をはさみ、同日午後になる見通し。起訴事実がすべて認定され、極めて厳しい刑が予想される。 

 中川被告が関与した事件は、教祖の麻原彰晃被告(48)=本名・松本智津夫=の十三事件に次ぎ、計二十五人の犠牲者が出ている。

 岡田裁判長はまず、教団の一連の凶行の手始めになった坂本弁護士一家殺害事件について、中川被告と麻原被告らとの共謀を認め、「教団の活動を批判する活動の中心だった弁護士を妻子ともども殺害するという麻原(被告)の意図に賛同し、殺人の実行行為を分担した」と認定した。

 松本サリン事件では「サリンは中川被告が協力して合成に成功し、毒性を十分に認識していた。被告は犯行現場で重要な行為を分担し、共謀の責任は免れない」と指摘した。

 さらに、地下鉄サリン事件についても「サリンの発散行為には直接関与せず、実行役との謀議にも加わっていないが、警察の強制捜査を阻止するという麻原(被告)らの意図を察知し、共謀に加わった」と認定した。

 このほかの全事件についても起訴事実を認めた上で、中川被告の責任能力について「違法性を理解しながらも、教団にとどまることで精神的な平穏や充足感を得たいと判断し、教団の利益や麻原(被告)との関係を優先させた」と述べ、「責任能力を欠く」との弁護側主張を全面的に退けた。

 弁護側は、一連の起訴事実への中川被告の関与を認めた上で「被告は嫌だと考えながら、それとは無関係に麻原(被告)の意識に支配され、事件を起こした。犯行時には心神喪失に準じる精神状態にあり、責任能力を欠いていた」と主張。中川被告は法廷で謝罪していた。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20031029/eve_____sya_____000.shtml