2003年10月29日(水) 15時37分

オウム判決：中川被告に死刑　松本被告との共謀認定　東京地裁（毎日新聞）

　地下鉄、松本両サリン、坂本堤弁護士（当時３３歳）一家殺害を含む１１事件で殺人罪などに問われたオウム真理教（アーレフに改称）の元幹部、中川智正被告（４１）に対し、東京地裁（岡田雄一裁判長）は２９日午後、求刑通り死刑を言い渡した。判決は、全事件への関与と、松本智津夫（麻原彰晃）被告（４８）との共謀を認定した。　

　中川被告はこの日、紺のスーツ姿。裁判長に一礼して着席し、眼鏡を外し目を閉じて判決に聞き入った。

　中川被告が起訴された事件数は、松本被告の１３件に次いで多く、死者数は２５人に上る。公判では大半の事件で犯意や共謀などを否定、弁護側は無罪やほう助罪などの適用を主張している。

　判決は、坂本弁護士らの殺害について「それまで坂本弁護士の名前を聞いたこともなかったが、出家した以上は松本被告の指示に従わなければと思い犯行に加わった」と指摘。被告が妻都子（さとこ）さん（当時２９歳）の首を着衣で締め付けて殺害し、長男龍彦ちゃん（同１歳）の顔にタオルケットを強く押し付けたと認定した。

　地下鉄、松本両サリン事件については、中川被告らが生成したサリンが使われたと認定した。

　教団による一連の事件のうち、坂本弁護士一家殺害では中川被告と村井秀夫元幹部（故人）を除く実行役４人全員が１審で死刑判決を受け、控訴・上告中。両サリン事件では、中川被告と同じくサリン生成役とされる遠藤誠一被告（４３）が死刑を言い渡され、控訴している。【清水健二】

　【起訴された事件名】　（１）地下鉄サリン（９５年３月）（２）松本サリン（９４年６月）（３）坂本弁護士一家殺害（８９年１１月）（４）落田耕太郎さん殺害（９４年１月）（５）滝本太郎弁護士殺害未遂（９４年５月）（６）水野昇さん殺害未遂（９４年１２月）（７）浜口忠仁さん殺害（同）（８）永岡弘行さん殺害未遂（９５年１月）（９）仮谷清志さん監禁致死（９５年２月）（１０）新宿青酸ガス殺人未遂（９５年５月）（１１）都庁爆弾殺人未遂（９５年５月）

［毎日新聞１０月２９日］ ( 2003-10-29-15:37 )

http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20031029k0000e040072001c.html