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米食品医薬品局（ＦＤＡ）は２８日、大規模なドーピング（禁止薬物使用）スキャンダルで問題になっている新種ステロイド「テトラハイドロゲストリノン（ＴＨＧ）」を未承認の新薬と位置づける、と発表した。米国内で栄養補助食品として売られてきたが、今後は販売できなくなる。
ＦＤＡは、ＴＨＧの化学構造や性質を詳しく分析。すでに禁止されている２種類のアナボリックステロイド剤に極めて似ていることを突き止めた。こうした筋肉増強効果のあるステロイド剤の化学構造を、少し変化させて開発されたとＦＤＡはみている。
ＦＤＡは「ＴＨＧの危険性についてほとんど分かっていないものの、同じような薬剤の性質を考えると、使用すれば健康への危険がかなりある」と指摘。「栄養補助食品としても効果は期待できない」と、消費者に注意を呼びかけた。
ＴＨＧは筋肉増強効果があるとされ、今夏、まず米陸上界で使用が明るみに出た。米国の企業が幅広いスポーツ選手に提供していたことが判明。米メディアによると、五輪金メダリストや大リーグのスター選手ら約４０人が、企業との関係について証言するため、連邦大陪審に召喚されている。
(10/29 11:07)