2003年10月28日(火) 18時58分

国税還付金を詐取の疑いで福岡県杷木町の女性町長逮捕（読売新聞）

　福岡県警捜査２課と甘木署は２８日、同県杷木町の税務課職員らが町民十数人分の確定申告書を偽造して国税還付金を詐取したとして、同町長の中嶋玲子容疑者（５０）（杷木町星丸）を詐欺などの容疑で逮捕。既に有印私文書偽造・同行使などの疑いで逮捕した元課長、井手四男美（５９）（同町池田）、課長補佐、田中学（４９）（同町志波）、同課係長、熊谷浩敏（４２）（同町林田）の３容疑者も再逮捕した。

　調べによると、中嶋容疑者は井手容疑者らと共謀。３月から４月にかけ、町民税を滞納していた町民十数人分の確定申告書を偽造し、甘木税務署に国税還付金を申請して計約５０万円をだまし取った疑い。

　県警は井手容疑者らが「偽造は町長にも説明した。決裁も受けた」などと供述していることから、中嶋容疑者を含めた組織的な犯行と判断した。中嶋容疑者は「知らなかった」と否認しているという。

　町民税の滞納者が国税還付金を申請した場合、町が発行した債権差し押さえ通知書を提出すれば還付金は本人に渡らず、町会計に入金される制度を悪用していた。詐取した還付金は滞納分の穴埋めに充てていた。

　ほかにも数十件、数百万円分の詐欺未遂があるという。

　中嶋容疑者は町議を経て昨年４月、町長に初当選。九州・山口で初の女性町長として注目を集めた。事件発覚後の今月７日の会見では、「税務署の指摘で知った。組織ぐるみではない」と話していた。（読売新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031028-00000211-yom-soci