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2003年10月24日(金) 22時42分

<日本テレビ>プロデューサー、視聴率を不正操作毎日新聞

 テレビ視聴率競争で9年連続首位を続ける日本テレビ(本社・東京都港区)の男性社員プロデューサー(41)が、視聴率調査会社「ビデオリサーチ」(本社・東京都中央区)のモニター世帯の住所を興信所を使って探し出し、昨年9月〜今年9月の間に4回、これら世帯に自分が制作した計6番組を見るよう依頼、承諾した世帯に謝礼として5000〜1万円の商品券や現金を支払っていたことが24日分かった。ビデオリサーチはモニター世帯(関東地区は600世帯)の所在を秘密事項としているが、男性プロデューサーは「興信所がビデオリサーチの保守点検車を尾行して、モニター世帯を突き止めた」などと話しているという。萩原敏雄日テレ社長は同日の会見で事実関係を認め謝罪するとともに、社内に調査委員会を設置することを明らかにした。しかし「会社は一切関与していないし指示もしていない」と説明した。

 日テレによると、このプロデューサーは昨年7月、埼玉県内の興信所にモニター世帯を探すよう依頼し、同年8月までに5〜6世帯を把握。知り合いの元番組制作会社社長夫妻を通じて、自分が制作した同年9月放送の「芸能人犯罪スペシャル」など単発特別番組2本を見てほしいと依頼し、視聴を承諾した4世帯に謝礼を郵送した。今年1月にも、それまでに突き止めた7〜8世帯に自分の単発特番2本を見るよう依頼し、承諾した4世帯に謝礼を郵送。4月と9月には、12〜13世帯にこのプロデューサー本人が直接連絡して視聴を依頼し、了解した4世帯に謝礼を送ったという。日テレが把握した範囲では依頼したのは延べ24〜27世帯、謝礼を支払ったのは計12世帯に上る。

 ビデオリサーチによると、視聴率調査は無作為に選んだモニター世帯に、自動的に視聴記録を測定する装置を置いてもらうシステム。プロデューサーが制作した6番組の中で最も視聴率が高かったのは今年1月放送の「びっくり人間スペシャル」の17.1%。他5番組は10.2〜15.7%だった。

 プロデューサーは、自ら視聴を依頼した際には日テレが依頼したことがモニター世帯に分からないように、局名と自分の名を告げず、自分の番組と同時に他の2局が放送した4番組の視聴を依頼していたという。

 日テレによると、23日に一部マスコミから事実確認があり、日テレの調査に対してプロデューサーは当初否定したが、その後事実を認めたという。このプロデューサーは「少しでも高い視聴率を取りたいと思ってやった。興信所には、視聴を承諾した場合には1世帯あたり10万円、元番組制作会社社長夫妻には1世帯あたり2万円の謝礼を支払った。費用はすべて自分が出した」と話しているという。【油井雅和】

◇思い込みの激しい性格

 41歳の男性プロデューサーは、84年に日テレに入社し、スポーツ局に配属された。世界陸上などスポーツ中継を担当していたが、バラエティー番組志望で、91年11月、念願の編成局に異動した。その後は、主に年末年始、期首期末のバラエティー特番を制作してきた。萩原敏雄社長は「レギュラー番組の実績はないが、特番はそれなりで、中堅の安心できるプロデューサーだった」と話す一方、「レギュラー番組のプロデューサーはチームワークが必要で、多くのスタッフをまとめなくてはいけないが、彼はそれが苦手で猛進型だった」と述べ、思い込みの激しい性格と評した。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031025-00000071-mai-soci